
ベライゾン・コミュニケーションズってどんな銘柄なの?

日本で言うところのNTTのような、米国通信事業の超大手だよ!
- 米国株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- VZがどんな企業か知りたい
- VZの業績が知りたい
2021年1月26日に通期決算が発表された、米国株ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標からVZに投資するかどうか判断することができます。
また本記事は、個別銘柄を買う時の「8つのポイント」に沿って解説していきます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
VZの事業概要

ここからは、VZが行っている事業について解説していきます。
VZの会社概要
ベライゾン・コミュニケーションズ(英語: Verizon Communications Inc.)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、大手電気通信事業者である。
Wikipedia(ベライゾン・コミュニケーションズ)から引用
NYダウ平均株価や、S&P500指数の採用銘柄となっている、アメリカの超一流企業です。
アメリカの携帯電話事業者である、ベライゾン・ワイヤレスを完全子会社としています。
ベライゾン・ワイヤレスは、アメリカでの加入者数が第1位となっています。
日本で言えば、「NTT」と「NTTドコモ」をイメージするとわかりやすいですね。
携帯電話事業のほかにも、ネットワーク事業、セキュリティ事業、クラウド事業を展開しています。
2018年には、世界初の商用向け5Gサービスをスタートさせています。
1997年には、ベライゾンジャパンを東京都千代田区に設立し、日本企業のグローバル展開などを支援しています。
VZの株価分析!

ここからは、さまざまな指標からVZの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
VZの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 56.57ドル |
年間配当 | 2.51ドル |
配当利回り | 4.43% |
発行株式数 | 4,138百万株 |
時価総額 | 241,747百万ドル |
確定当期利益 | 17,801百万ドル |
確定PER | 13.16倍 |
PBR | 3.45倍 |
VZの配当利回りは4%を超えており、高配当銘柄です。
PERとPBRについて、総合通信サービスや、無線通信サービスを行う他社と比較してみましょう。
銘柄 | PER | PBR |
---|---|---|
VZ | 13.16倍 | 3.45倍 |
ATUS | 170.29倍 | 9.50倍 |
CHTR | 85.48倍 | 4.34倍 |
TMUS | 32.37倍 | 3.91倍 |
T | 15.66倍 | 1.17倍 |
ATUSやCHTRは、ブロードバンド通信サービスなどを行う企業です。
TMUS(TモバイルUS)やT(AT&T)は、携帯通信事業などの無線通信サービスを行う企業です。
VZはさまざまな分野で通信サービスを提供していますが、携帯通信事業が収益の大半を占めています。
PERやPBRも、携帯通信事業者と近い数字となっていますね。
携帯通信事業者と比較すると、VZの現在の株価は、PER・PBRともに割安な水準にあることがわかります。
PERやPBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
過去1年の株価推移は次のとおりです。
青いチャートがVZ、オレンジのチャートがS&P500指数を表しています。

VZは3月の暴落幅が小さく、おおよそ横ばいに推移しています。
11月以降、S&P500指数が右肩上がりに伸びていく反面、VZは若干右肩下がりとなっています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 4月24日、20.12期の第1四半期決算を発表。
- 6月4日、四半期配当を発表。前の3四半期と同額。
- 7月24日、20.12期の第2四半期決算を発表。
- 9月3日、四半期配当を発表。前四半期から1.25セント増額。これで14年連続増配を達成。
- 10月21日、20.12期の第3四半期決算を発表。
- 12月3日、四半期配当を発表。前四半期と同額。
- 1月26日、20.12期の通期決算を発表。
売上高、営業利益の推移
VZの売上高と営業利益の推移は次のようになっています。

売上高は1,200億ドル、経常利益は200億ドルを超えます。
ほぼ横ばいに推移しており、成熟企業の様相を呈しています。
営業利益率の推移

日本株の場合、営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断されます。
米国株は日本株よりも営業利益率が高い傾向にあり、20%を超えれば「良好」と判断しています。
VZは20%前後の営業利益率を推移しており、おおよそ良好と言えるのではないでしょうか。
営業利益率(%)=営業利益(USD)÷売上高(USD)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
VZのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。

ほとんどの年で、営業CFが黒字かつ、投資CFと財務CFが赤字となっています。
これは成熟企業において、最も理想的なキャッシュフローです。
営業CFでお金を増やし、新たな設備投資や株主還元などを積極的に実施できている証拠です。
自己資本比率の推移

日本株の自己資本比率は、少なくとも40%を超えていないと倒産リスクが高まるという考え方があります。
それに対し、米国S&P500指数採用銘柄の自己資本比率平均は、30%前後です。
VZの自己資本比率は平均よりも低く設定されており、不安が残る状態です。
自己資本比率(%)=純資産(ドル)÷総資産(ドル)
純資産(ドル)=総資産(ドル)-負債(ドル)
ただし米国株は、自己資本比率よりもROE(自己資本利益率)を重視するという風潮があります。
自己資本でどれだけ効率よく利益を上げたか、という指標ですね。
ROE、ROAの推移

これは、ROEとROA(総資産利益率)の推移を表したグラフです。
米国株のROEは平均15%前後となっており、日本株のROE平均の約2倍となっています。
VZのROEは、米国株平均よりも高い水準を推移しており、少ない自己資本で効率よく業績を上げていることがわかります。
近年のROEが下がっているのは、自己資本比率のグラフにもあるように、自己資本が増えているからですね。
個人的には、近年のROEでも十分高いので、自己資本比率20%以上をキープしてほしいなと思います。
またROAは、総資産とどれだけの利益を上げたかを表しています。
米国のROA平均は2%前後であり、日本株とあまり差がありません。
VZのROAは、平均を上回る水準を推移しています。
ROE(%)=当期純利益(ドル)÷純資産(ドル)
ROA(%)=当期純利益(ドル)÷総資産(ドル)
株主優待
株主優待は、日本にしかない独自の制度です。
米国株であるVZには、株主優待はありません。
配当金、配当性向、EPS
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
15年12月 | 2.23ドル | 51.02% |
16年12月 | 2.285ドル | 71.18% |
17年12月 | 2.335ドル | 71.40% |
18年12月 | 2.385ドル | 63.43% |
19年12月 | 2.435ドル | 52.25% |
20年12月 | 2.485ドル | 57.79% |
近年は配当性向50%から60%程度を推移しており、株主還元意識が高く、かつ無理をしすぎていない良好な水準だと言えます。
配当性向(%)=1株当たり配当金(ドル)÷EPS(ドル)

EPSは1株当たりの利益のことで、右肩上がりに伸びている状態が望ましいです。
VZは成熟企業の様相を呈しているため、おおよそ横ばいに推移していれば良いと考えています。
今後右肩下がりに推移し始めると、注意が必要でしょう。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数
VZの通期決算内容
2021年1月26日に、VZの通期決算(2020年1月1日から2020年12月31日)が公表されました。
セグメント別の四半期累計営業利益は、次のとおりです。
営業利益 | 前年同期比 | |
---|---|---|
Consumer | 28,856百万ドル | △0.36% |
Business | 3,773百万ドル | +0.29% |
計 | 32,629百万ドル | △0.28% |
今般の情勢による経済的不安もあり、消費者は支出の見直しを図っているようです。
また5G時代の到来もあって、各通信事業者のサービスを比較する動きも見られ、他社との競合が激化しています。
20.12期の当期純利益は約183億ドルとなり、前年比7.3%減となっています。
VZを徹底分析! まとめ

VZのことがなんとなくわかったよ。

安定した高配当株として、私のポートフォリオの中核を担っているよ!
ここまで、VZについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- VZは、携帯事業、セキュリティ事業、クラウド事業などを行う米国の大手通信事業者
- VZは、高配当かつ14年連続増配を達成している超優良銘柄
- VZは、自己資本比率を低めに設定していることが気になるが、それ以外の財務指標はとても良好
最後まで読んでいただきありがとうございます。
米国株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

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