先日、Twitterのフォロワー様からご質問をいただきました!
今回は、クリーンエネルギーに特化したETFとして、ICLNをご紹介します。

ICLNってどんな銘柄なの?



世界中から、クリーンエネルギーセクターの株式を選定しているETFだよ!
- 環境に配慮した株式のETFに投資してみたい
- ICLNの配当について知りたい
- ICLNの構成銘柄が知りたい
ETFってなに?
ETFは、Exchange Traded Fundの略で、上場投資信託とも言います。
運用の専門家が、投資家の代わりに運用を行ってくれる点は通常の投資信託と変わりませんが、ETFは株式取引のようにリアルタイムに売買取引をすることができます。
ETFと、投資信託はそれぞれ特徴があり、メリットやデメリットがあります。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
クリーンエネルギー株ETF<ICLN>を徹底解説!
ここからは、ICLN(iシェアーズ グローバル・クリーンエネルギー ETF)について徹底解説していきます。
ICLNの概要
世界三大運用会社の一つである、ブラックロックが運用します。
ICLNは、S&P グローバル・クリーンエネルギー指数への連動を目指すインデックスETFです。
S&P グローバル・クリーンエネルギー指数は、クリーンエネルギーセクターのグローバル株式で構成されています。
概要をまとめると、次のとおりです。
名称 | iシェアーズ グローバル・クリーンエネルギー ETF |
ティッカー | ICLN |
ベンチマーク | S&P グローバル・クリーンエネルギー指数 |
資産分類 | 株式 |
経費率 | 0.46% |
構成銘柄 | 30銘柄 |
設立日 | 2008年6月24日 |
純資産総額 | 約63億$ |
クリーンエネルギー系のETFの中でも、ダントツで経費率が低く、時価総額で見ても最大規模を誇ります。
先進国、新興国に限らず幅広い国の株式に投資しますが、銘柄は30と少なめです。
ESGの観点を重視した投資が今後は必要になる、というのはここ数年の風潮です。
しかし、ICLNは2008年に設立されており、ある程度歴史のあるETFです。
設立されてすぐにリーマンショックなどを経験していますね。
- Environment(環境)
- Social(社会)
- Governance(企業統治)
それぞれの頭文字をとって、ESGと呼びます。
ICLNのチャート
ICLNが設立された、2008年6月24日からのチャートの推移は次のとおりです。


ICLNは2008年に設立されてからすぐにリーマンショックを経験し、大きく暴落しました。
その後の株価は横ばいを推移していましたが、2020年中盤頃から一気に株価を伸ばしました。
これは、米大統領候補のバイデン氏が7月に発表したクリーンエネルギー政策が影響しています。
再生可能エネルギー中心の産業への移行と、脱炭素経済を目指すバイデン氏は、「2兆ドル規模のクリーンエネルギー投資計画」を画策しています。
こうした動きから、ICLNを始めとしたクリーンエネルギーETFの株価は上昇に転じました。
実際にバイデン氏が米大統領に就任し、この計画の詳細が明らかになってくれば、更なる株価変動もあり得る状況です。
ICLNの配当日、配当利回り
ICLNの配当日は、6月、12月の年2回です。
近年の株価と分配金の推移は次のとおりです。
日付 | 株価終値 | 過去12ヶ月分配金 | 過去12ヶ月分配金利回り |
---|---|---|---|
21年1月15日 | 30.56ドル | 0.096777ドル | 0.31% |
20年1月15日 | 12.25ドル | 0.159826ドル | 1.30% |
19年1月14日 | 8.95ドル | 0.229146ドル | 2.56% |
18年1月16日 | 9.63ドル | 0.232061ドル | 2.41% |
近年の分配金は減額しています。
再生可能エネルギーなどの業種は、設備投資に莫大な資金がかかるものの、利益率があまり高くありません。
企業としての長期的な成長が見込めないことから、配当金を多く出せない特徴があります。
分配金は期待せず、値上がり益を期待する投資となります。
- 「過去12か月分配金利回り」ってなに?
-
直近12ヶ月間に支払われた分配金額を、直近のファンドの基準価額で割ることで求められます。
- どうしてそのような求め方をするの?
-
ETFは、株式のように株主総会で配当金を決定するわけではありません。
配当などの収益から経費率を差し引いて、分配することになっています。
この計算方法は、「投資信託」と同様です。
ICLNの運用実績
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
---|---|---|---|---|---|
基準価額 | 71.43% | 29.64% | 18.03% | 3.34% | -5.86% |
市場価格 | 71.57% | 29.56% | 17.90% | 3.39% | -5.84% |
ベンチマーク | 72.08% | 29.87% | 17.66% | 2.39% | -6.67% |
過去10年のリターンが3%程度しかないものの、過去3年くらいから大きく伸びていることがわかります。
バイデン氏の政策の内容によって、今後更に大きく伸ばすかどうかを左右します。
ICLNの構成銘柄
ICLNは、2021年1月14日時点で30銘柄で構成されています。
組入上位10銘柄と、その他の銘柄との構成比率は次のとおりです。




アメリカのプラグ・パワーの比率が高くなっているものの、それ以外はほぼ均等な配分となっています。
プラグ・パワーは、燃料電池を開発・製造し、世界各地に提供しています。
ICLNの業種別投資比率


単にクリーンエネルギーといっても、そのさまざまな業種があります。
太陽光などの「再生エネルギー系発電事業者」のほか、その発電機器の製造を行うような業種に多く投資していることがわかります。
ICLNの市場別比率


アメリカが3分の1以上を占めるものの、欧州等の先進国だけでなく、中国やブラジルといった新興国など、幅広い国の株式に投資しています。
ICLNのメリット、デメリット
クリーンエネルギー株ETFであるICLNに投資する上でのメリット、デメリットを整理します。
ICLNに投資するメリット
- 再生可能エネルギー事業者や、その発電設備の製造業者などに集中的に投資するETFである
- クリーンエネルギーへの大規模投資はバイデン次期米大統領候補の目玉政策であり、今後注目が集まる
- クリーンエネルギー株ETFの中でも、経費率がダントツで低い
ICLNに投資するデメリット
- 長期チャートの成長率が低く、バイデン次期米大統領候補の政策内容に大きく左右される可能性が高い。
- 分配金はほぼ期待できず、値上がり益を期待するしかない。
クリーンエネルギー株ETF<ICLN>を徹底解説! まとめ



ICLNのことが何となくわかったよ。



クリーンエネルギーのほかにも電気自動車とか、環境に配慮したセクターは今後注目が集まるね!
ここまで、クリーンエネルギー株ETFであるICLNについて徹底解説してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- ICLNは、クリーンエネルギー関連株に集中的に投資するETFである
- ICLNは、クリーンエネルギー系ETFの中でも経費率がダントツで低い
- ICLNのリターンは、バイデン次期米大統領候補の政策内容による影響が大きい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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まみこでした。


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