
クラウドストライクってどんな銘柄なの?



全く新しいサイバーセキュリティプラットフォームを提供している企業だよ!
- 米国株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- CRWDがどんな企業か知りたい
- CRWDの業績が知りたい
2020年12月2日に第3四半期決算が発表された、米国株クラウドストライク<CRWD>を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標からCRWDに投資するかどうか判断することができます。
また本記事は、個別銘柄を買う時の「8つのポイント」に沿って解説していきます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
CRWDの事業概要


ここからは、CRWDが行っている事業について解説していきます。
CRWDの会社概要
CRWDは、アメリカのカリフォルニア州に本社を置くサイバーセキュリティ企業です。
「CrowdStrikeFalconプラットフォーム」は、ハッキング事例などをクラウド上で共有し、クライアントを集団で防衛するというセキュリティシステムです。
あるクライアントで、あるハッキングが発生すれば、それを瞬時にクラウド上で共有し、他のクライアントも含めて防衛を図ります。
クライアントが増えれば増えるほど、データベースは蓄積されて、より強固なセキュリティ網が構築されます。
日本のソニーやセガ、TDKといった企業のほかに、米国のテスラなどもこのセキュリティシステムを導入しています。
2020年11月に発売されて、とても話題を呼んだ著書「2025年を制覇する破壊的企業」で紹介されている企業でもあります。
CRWDの株価分析!


ここからは、さまざまな指標からCRWDの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
CRWDの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 223.53ドル |
年間配当 | 0.00ドル |
配当利回り | 0.00% |
発行株式数 | 213百万株 |
時価総額 | 49,565百万ドル |
予想当期利益 | -95.67百万ドル |
予想PER | 赤字 |
PBR | 64.14倍 |
CRWDは2011年に設立され、2019年6月にNASDAQ上場したばかりの新興企業です。
配当金は出していません。
インカムゲインではなく、キャピタルゲインを期待しましょう。
株式や債券などの金融資産を売却して得られる利益のことです。
また、金融資産を保有中に得られる収益のことを、インカムゲインといいます。
また、予想当期利益は赤字となっているのでPERの算出はできません。
PERやPBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2019年6月にNASDAQに上場して以来の株価推移は次のとおりです。


52週最高値は2021年1月12日の238.54ドル、52週最安値は2020年3月17日の31.95ドルです。
また、238.54ドルが上場以来の最高値でもあります。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 6月2日、第1四半期決算を発表。
- 9月2日、第2四半期決算を発表。
- 10月22日、クラウドストライクの日本法人が、新モジュール「CrowdStrike Falcon X Recon」を発表。
- 12月2日、第3四半期決算を発表。
- 12月21日、米政府機関などを標的とした大規模なサイバー攻撃があったことなどを受け、サイバーセキュリティ関連株の株価が軒並み上昇。
売上高、経常利益の推移
CRWDの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


売上高は、順調に右肩上がりに成長しています。
経常損失がなかなか削減できなかったものの、21.01期に大きく改善し、遂に黒字化するのではと予想されています。
今後が非常に楽しみなグラフですね。
営業利益率の推移


営業利益はまだ赤字なのでマイナスとなっていますが、徐々に改善していることがわかります。
新興企業は、原価をかけてどんどん事業を拡大していかなければいけないので、営業利益が赤字なのは当然です。
新興企業の営業利益率は、右肩上がりに推移しているかどうかをチェックしましょう。
営業利益率(%)=営業利益(USD)÷売上高(USD)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
CRWDのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


営業CFと投資CFが赤字で、財務CFが黒字の状態は、新興企業によく見られるキャッシュフローです。
営業で現金はまだ生み出せないので、将来のために積極的に投資をしており、その資金を借入金や株式発行などで補っている状態です。
20.01期には遂に営業CFが黒字化していますね。
売上も順調に伸びているので、更なる積極投資を進めるため、投資CFの赤字と財務CFの黒字が大きく拡大しています。
新興企業としては順風満帆、今後の成長が楽しみなキャッシュフローです。
自己資本比率の推移


自己資本比率がマイナスということは、純資産がマイナス、つまり資産よりも負債が多い状態(債務超過)です。
会社の資産すべてを、負債の返済に充てても、負債を返しきれない状態ということですね。
当然好ましい状態ではありませんが、積極投資をしている企業ではよく見られる状態で、すぐに倒産に追い込まれるわけではありません。
CRWDは積極投資を行った結果、事業が成功し、現在は自己資本比率50%まで改善しました。
20.12期のキャッシュフローを見ると、再び積極的に事業投資をしていることがわかります。
ただし、20.12期の自己資本比率は高く、以前よりも経営が安定した状態で事業拡大に臨んでいることがわかります。
自己資本比率(%)=純資産(ドル)÷総資産(ドル)
純資産(ドル)=総資産(ドル)-負債(ドル)
ROE、ROAの推移
米国株は、自己資本比率よりもROE(自己資本利益率)を重視するという風潮があります。
自己資本でどれだけ効率よく利益を上げたか、という指標ですね。
ただし、CRWDは当期純利益ベースではいずれの年も赤字ですので、ここでは省略します。
ROE(%)=当期純利益(ドル)÷純資産(ドル)
ROA(%)=当期純利益(ドル)÷総資産(ドル)
株主優待
株主優待は、日本にしかない独自の制度です。
米国株であるCRWDには、株主優待はありません。
配当金、配当性向、EPS
CRWDは配当金を出していませんので、配当金推移や配当性向については省略します。
配当性向(%)=1株当たり配当金(ドル)÷EPS(ドル)


EPSは1株当たりの利益のことで、右肩上がりに伸びている状態が望ましいです。
経常利益のグラフと同じように、なかなか損失が減ってこなかったものの、21.01期に大きく改善する見込みです。
21.01期に、経常利益ベースでは黒字化するものの、EPS(当期純利益ベース)ではまだ赤字と予想されています。
経常利益から特別損失や法人税などを差し引くと、当期純利益になります。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数
CRWDの第3四半期決算内容
2020年12月2日に、CRWDの第3四半期決算(2020年2月1日から2020年10月31日)が公表されました。
セグメント別の四半期累計粗利益は、次のとおりです。
粗利益 | 前年同期比 | |
---|---|---|
Subscription | 429,144千ドル | +95.1% |
Professional services | 17,552千ドル | +57.2% |
計 | 446,696千ドル | +93.2% |
粗利益(売上総利益)は、売上高から売上原価を引いたものです。
ここから広告費などの営業コストを引くと、CRWDの場合は営業損失となります。
とはいえ、特にサブスクで前年同期比2倍近くまで粗利益を伸ばすことに成功しました。
単四半期でも、全体で約95%粗利益が増加しています。
CEOであるGeorgeKurtzは、「クラウドストライクは記録的な第3四半期を達成した」とコメントしています。
CRWDを徹底分析! まとめ



CRWDのことがなんとなくわかったよ。



順調に売上を伸ばして、財務的にもかなり改善してきているね!
ここまで、CRWDについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- CRWDは、集団的にハッキングなどを防衛するセキュリティプラットフォームを構築している
- CRWDの売上は右肩上がりに推移し、経常損失が黒字化するのも目前である
- CRWDの営業CFは20.01期に黒字化しており、ますます積極的な事業投資を行っている
最後まで読んでいただきありがとうございます。
米国株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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