
ビヨンド・ミートってどんな銘柄なの?

植物性の人工肉を開発する企業で、初めてNASDAQ市場に上場したんだ!
- 米国株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- BYNDがどんな企業か知りたい
- BYNDの業績が知りたい
2020年11月9日に第3四半期決算が発表された、米国株ビヨンド・ミート<BYND>を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標からBYNDに投資するかどうか判断することができます。
また本記事は、個別銘柄を買う時の「8つのポイント」に沿って解説していきます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
BYNDの事業概要

ここからは、BYNDが行っている事業について解説していきます。
BYNDの会社概要
21世紀に入ってから、欧米先進国を中心に、菜食主義者(ヴィーガン、ベジタリアン)の増加が顕著となっています。
環境問題などから、できる限り動物を摂取することなく生きていくべきという考え方ですね。
とはいえ、「お肉の味」が嫌いなわけではなくて、むしろ好きという菜食主義者の方も多いそうです。
そこで、植物性の人工肉(代替肉)の需要がとても増えています。
この代替肉の製造・販売をする企業で、遂にNASDAQ市場に上場を果たしたのがビヨンド・ミートです。
ビヨンドソーセージ、ビヨンドバーガーなどの主力製品が売上高を伸ばしています。
食料品店、コンビニ、レストラン、学校などへの販売のほか、消費者への直売も行っています。
ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点が重要視される中で、BYNDはとても注目される企業の一つです。
BYNDの株価分析!

ここからは、さまざまな指標からBYNDの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
BYNDの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 140.70ドル |
年間配当 | 0ドル |
配当利回り | 0% |
発行株式数 | 62,625,629株 |
時価総額 | 8,811百万ドル |
予想当期利益 | △33.55百万ドル |
予想PER | 赤字 |
PBR | 19.49倍 |
BYNDは2009年に設立され、2019年にNASDAQに上場したばかりの新興企業です。
配当金は出していません。
インカムゲインではなく、キャピタルゲインを期待しましょう。
株式や債券などの金融資産を売却して得られる利益のことです。
また、金融資産を保有中に得られる収益のことを、インカムゲインといいます。
BYNDは、20.12期は赤字予想のためPERの計算はできません。
ただし、21.12期は黒字予想となっています。
PERやPBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2019年5月にNASDAQに上場して以来の株価推移は次のとおりです。

2019年7月26日の234.90ドルが上場以来の最高値です。
また、52週最高値は2020年10月8日の197.50ドル、52週最安値は2020年3月19日の48.18ドルです。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 3月19日、19.12期通期決算を発表。
- 5月12日、第1四半期決算を発表。
- 8月11日、第2四半期決算を発表。
- 11月9日、第3四半期決算を発表。売上高が市場予想の下限にも届かなかった。
- 同日、ビヨンドミートがマクドナルドの植物由来パティを共同開発したと発表。
しかし、マクドナルドは協業していないと解釈される説明を行った。
売上高、営業利益の推移
BYNDの売上高と営業利益の推移は次のようになっています。

売上高は順調に右肩上がりに伸びており、経常利益は赤字であるものの改善しつつあります。
また、営業利益も赤字で推移しています。
営業利益が赤字ということは、売上高より売上原価が多いということです。
新興企業はどんどん費用をかけて成長しなければならないので、営業利益が赤字状態なのは当然です。
新興企業の場合は、売上高が右肩上がりに伸びているかどうかをチェックしましょう。
なお通期では赤字ですが、2019年7月-9月期に売上高が100億円を超えて、10年間で初めての黒字決算となっています!
営業利益率の推移

営業利益率は徐々に改善しています。
比率よりも、売上高と同様、右肩上がりに改善しているかどうかを確認しましょう。
営業利益率(%)=営業利益(USD)÷売上高(USD)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
BYNDのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。

営業CFと投資CFが赤字、財務CFが黒字となっています。
これは、新興企業によくあるパターンのキャッシュ・フローです。
19.12期に財務CFと現金が大きく増加していますが、借入金が大きく増えているわけではありません。
これは、新しい株式を約3百万株発行したことによるものです。
自己資本比率の推移

自己資本比率がかなり高い比率で推移しています。
営業CFがマイナスなので、本業によって自己資金を増やして自己資本比率を保っているわけではありません。
新規株式発行などによって資金を得て、事業を拡大しているということです。
借入金に頼らずとも、実際に売上高は右肩上がりに成長していますので、経営状態は順調と言えますね。
株主優待
株主優待は、日本にしかない独自の制度です。
米国株であるBYNDには、株主優待はありません。
配当金、配当性向、EPS

BYNDは配当金を出していませんので、配当金推移と配当性向は省略します。
EPSは1株当たりの利益のことで、右肩上がりに伸びている状態が望ましいです。
BYNDは赤字ですのでEPSも赤字となります。
20.12期は例年以上に設備投資を行っていて、有形固定資産購入費や減価償却費が増額して、赤字が膨らんでいます。
売上高が右肩上がりに伸びているので、更なる事業拡大を見込んでのことですので、当然のことと言えますね。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数
BYNDの第3四半期決算内容
2020年11月9日に、BYNDの第3四半期決算(2020年4月1日から2020年9月30日)が公表されました。
セグメント別の四半期累計売上高は、次のとおりです。
売上高 | 前年同期比 | 単四半期比 | |
---|---|---|---|
米国小売り | 202,019ドル | +114.5% | +40.5% |
米国業務用 | 45,442ドル | +4.0% | △11.1% |
計(米国) | 247,461ドル | +79.5% | +25.4% |
売上高 | 前年同期比 | 単四半期比 | |
---|---|---|---|
国際小売り | 23,499ドル | +134.9% | +26.7% |
国際業務用 | 33,888ドル | △34.3% | △65.1% |
計(国際) | 57,387ドル | △6.8% | △45.5% |
2020年1月14日にオランダ、2020年4月28日に中国浙江省へそれぞれ新しい子会社を設立しました。
小売りについては、単四半期も累計も増加しています。
業務用については、都市封鎖などもあって減収の兆候が見られます。
米国と国際の総計では、第3四半期累計で前年同期比52.9%増収しています。
BYNDを徹底分析! まとめ

BYNDのことがなんとなくわかったよ。

順調に成長しているけど、今後のことはわからないから、集中投資は禁物だよ!
ここまで、BYNDについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- BYNDは、代替肉の製造・開発で上場した注目企業
- BYNDの売上は順調に右肩上がりに伸びていて、今後に期待
- BYNDは自己資本比率が高く、当面倒産リスクは薄いが、集中投資は禁物
最後まで読んでいただきありがとうございます。
米国株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

筆者がオススメする投資に関する書籍はこちら↓
コメント