
沖縄セルラー電話ってどんな銘柄なの?



沖縄県で携帯通信業を行っている、KDDIの連結子会社だよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 沖縄セルラー電話がどんな企業か知りたい
- 沖縄セルラー電話の業績が知りたい
2021年4月27日に通期決算が発表された、沖縄セルラー電話(以下、「沖縄セルラー」)を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から沖縄セルラーに投資するかどうか判断することができます。
沖縄セルラー(9436)の事業概要


ここからは、沖縄セルラーが行っている事業について解説していきます。
沖縄セルラーの会社概要
沖縄セルラー電話株式会社(おきなわセルラーでんわ、英: OKINAWA CELLULAR TELEPHONE COMPANY、略称: OCT[2])は、日本の電気通信事業者。沖縄県で携帯電話事業を行う地域会社(モバイルネットワークオペレータ)である。
Wikipedia(沖縄セルラー電話)から引用
沖縄セルラーはKDDIの連結子会社で、「au」や「UQ mobile」のサービスを提供しています。
NTTドコモやソフトバンクは、全国一律でサービスを提供している一方、KDDIは沖縄セルラーを吸収合併していません。
経緯は長くなるので割愛しますが、沖縄県内では、NTTドコモを抜いて、沖縄セルラーがシェアNo.1となっています。
別会社とはいえ、基本的な料金体系はKDDIと同様です。
KDDIで契約した人は沖縄セルラーでも手続きができ、沖縄セルラーで契約した人はKDDIでも手続きすることができます。
沖縄セルラー独自のサービスもあって、「auひかり」を「auひかり ちゅら」として提供し、少しサービス内容が異なるようです。
なお沖縄セルラーは、「電気通信事業」のみの単一セグメントとなっています。
沖縄セルラー(9436)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から沖縄セルラーの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
沖縄セルラーの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 4,940円 |
年間配当 | 154円 |
配当利回り | 3.11% |
発行株式数 | 27,342,000株 |
時価総額 | 135,069百万円 |
21.3期確定利益 | 10,522百万円 |
22.3期予想利益 | 10,000百万円 |
21.3期純資産 | 94,382百万円 |
予想PER | 13.50倍 |
PBR | 1.43倍 |
現在の配当利回りは3.11%で、高配当銘柄と呼ぶには少し物足りないですね。
沖縄セルラーの業種は、「情報・通信業」に該当します。
2021年3月の業種別平均は、PERは38.5倍、PBRは2.2倍となっています。
情報・通信業に分類される他社と、PER・PBRを比較します。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
沖縄セルラー(9436) | 13.50倍 | 1.43倍 |
ソフトバンク(9434) | 13.61倍 | 6.01倍 |
KDDI(9433) | 11.84倍 | 1.65倍 |
日本電信電話(9432) | 11.76倍 | 1.08倍 |
Zホールディングス(4689) | 48.14倍 | 3.33倍 |
ネクソン(3659) | 32.08倍 | 4.51倍 |
ドコモを子会社化した日本電信電話(NTT)、KDDI、ソフトバンクは、沖縄セルラーと同じ携帯通信事業者です。
Zホールディングスは、Yahoo! JAPAN事業のほかLINEと経営統合を行っています。
ネクソンは、オンラインゲーム開発及び配信を行う会社です。
競合他社や業種別平均と比較した結果、次のように判断できます。
沖縄セルラーの現在の株価は、PER・PBRいずれにおいても、やや割高です。
PERは、今期(22.3期)の当期純利益予想で、株価が割安かどうかを表す、短期的視点による指標です。
PBRは、純資産残高を見た時に、株価が割安かどうかを表す、長期的視点による指標です。
PBRやPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


青いチャートが沖縄セルラー、オレンジのチャートは日経平均株価を表しています。
いずれの株価も上昇していますが、日経平均株価に比べると、沖縄セルラーの上昇は緩やかですね。
過去1年では、2021年3月26日の5,360円が最高値で、2020年10月2日の3,955円が最安値となっています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 4月24日、20.3期通期決算を発表。
- 同日、通期配当予想「6円増配」から修正し、「15円増配」で決定。
- 6月11日、20.3期通期決算の訂正。発行済株式数の記載誤り。
- 7月29日、第1四半期決算を発表。
- 同日、完全子会社「UQモバイル沖縄」の吸収合併を発表。
- 10月23日、第2四半期決算を発表。
- 1月27日、第3四半期決算を発表。
- 4月27日、21.3期通期決算を発表
- 同日、自己株式の消却を発表。
- 同日、通期配当予想「9円増配」から修正し、「12円増配および5円の記念配当」で決定。
売上高、経常利益の推移
沖縄セルラーの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


いずれも綺麗な右肩上がりに推移しています。
22.3期から「収益認識に関する会計基準」等が適用されることから、前期までとの単純比較はできません。
この基準は、収益として計上するタイミングがバラバラだったものが統一されるなど、売上高や利益の表示に影響を及ぼすものです。
詳細は長くなるので、ここでは割愛します。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移


営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示すもので、営業利益率が高ければ、本業の業績が良いと判断することができます。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
沖縄セルラーの営業利益率は、20%前後を推移しており、高い水準です。
なお、「儲けすぎ」と言われることの多いKDDIなどの携帯大手3社についても、同水準の営業利益率を推移しています。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
沖縄セルラーのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


過去10年全ての年で営業CFが黒字です。
また過去10年は、次のようなキャッシュフローとなっています。
- 営業CF 黒字
- 投資CF 赤字
- 財務CF 赤字
本業で生み出したお金だけで、新たな設備投資や、借入金の返済を行っています。
かつ、営業CFは波がありながらも順調に伸びており、設備投資による事業拡大は順調です。
何の問題もない、素晴らしいキャッシュフローです。
自己資本比率の推移


自己資本比率は、総資産に占める、自己資本(純資産)の割合を示すものです。
純資産は、総資産から負債を引いたものです。
つまり、自己資本比率が50%を超えていれば、負債よりも自己資本の方が多いということです。
一般的に、自己資本比率が40%を超えていれば、倒産リスクは低いと言われています。
沖縄セルラーの自己資本比率は、80%を超えています。
沖縄セルラーの自己資本比率はとても高い水準で、債務超過による倒産リスクは当面かなり薄いと言えるでしょう。
自己資本比率(%)=自己資本(総資産-負債)÷総資産
ROE、ROAの推移


このグラフは、沖縄セルラーのROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度、ROA平均は3%程度です。
沖縄セルラーは近年、ROE・ROAともに平均を少し上回る水準で推移しています。
特にROEは、自己資本比率が80%を超える高い水準でありながら、これだけの利益率を誇っているのは素晴らしいですね。
ROE(%)=当期純利益(円)÷純資産(円)
ROA(%)=当期純利益(円)÷総資産(円)
株主優待


沖縄セルラーには、株主優待があります!
優待品は、条件・内容ともにKDDI(9433)と全く同じものとなっています。
au PAY マーケット商品カタログギフト
KDDIが運営する「au PAY マーケット (au Wowma!)」内にある「全国47都道府県のグルメ品」のカタログギフトが贈呈されます。
保有株式数や保有期間によって、カタログギフトの内容が異なります。
保有株式数 | 5年未満保有 | 5年以上保有 |
---|---|---|
100株以上、1,000株未満 | 3,000円相当 | 5,000円相当 |
1,000株以上 | 5,000円相当 | 10,000円相当 |
配当金、配当性向
沖縄セルラーの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
12年3月 | 77円 | 40.63% |
13年3月 | 78円 | 42.31% |
14年3月 | 81.5円 | 36.97% |
15年3月 | 88円 | 34.27% |
16年3月 | 96円 | 33.51% |
17年3月 | 105円 | 34.18% |
18年3月 | 117円 | 34.78% |
19年3月 | 130円 | 36.35% |
20年3月 | 145円 | 37.65% |
21年3月 | 162円 | 39.82% |
22年3月(予想) | 164円 | 44.42% |
沖縄セルラーは02.3期から21.3期までで、20期連続増配を達成しました。
22.3期も2円の増配予想を発表しています。
配当性向も適正水準で、何の問題もありません。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


EPSは、当期利益を、発行済み株式数で割ることで求めることができ、「1株当たり利益」とも言われます。
EPSは、綺麗な右肩上がりで推移しています。
先述したように、22.3期から「収益認識に関する会計基準」等が適用されるため、22.3期の利益が下がっていることはそこまで気にする必要はありません。
沖縄セルラーの配当利回りは現時点で3%前半と高くありませんが、今後も増配が期待できます。
長期目線で考えた時に、安定してインカムゲインを生み出してくれる魅力的な銘柄と言えるでしょう。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
沖縄セルラーの通期決算内容
2021年4月27日に、沖縄セルラーの通期決算が公表されました。
通期(2020年4月1日から2021年3月31日)では、約145億円の経常利益となりました。
これは、前年同期比で3.5%増となっています。
沖縄セルラーは、「電気通信事業」のみの単一セグメントのため、セグメント利益の記載は省略されています。
サービス別の実績は、次のとおりです。
サービス | 契約件数 | 増減 |
---|---|---|
モバイル総契約数 | 740,100 | +13,200 (+1.8%) |
FTTH累計回線数 | 109,500 | +6,700 (+6.5%) |
ライフデザインサービス 総契約数 | 54,100 | +35,600 (+192.4%) |
FTTHは、auひかり系サービスのことです。
ライフデザインサービスは、auでんきを指します。
沖縄セルラーでは、auでんきを20.3期からサービス提供しており、大きな増となっているような形です。
モバイルとFTTHは、伸び率は若干低下していますが、総契約数は増加し続けており、安定した利益増が見込めます。
なお、KDDIの21.3期第3四半期決算の内容について、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。


沖縄セルラー(9436)を徹底分析! まとめ



沖縄セルラーのことがなんとなくわかったよ。



財務指標は良好で、連続増配も継続中だから、安定したインカムゲインが期待できる魅力的な銘柄だね!
ここまで、沖縄セルラーについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 沖縄セルラーは、沖縄県内でシェアNo.1を誇る携帯通信事業者である
- 沖縄セルラーの財務指標はいずれも良好で、当面の倒産リスクはかなり低い
- 沖縄セルラーは20期連続増配を達成し、配当性向も適正であることから、安定したインカムゲインが見込める
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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