
ソフトバンクってどんな銘柄なの?



ソフトバンク、ワイモバイル、LINEモバイルで携帯事業を行うほか、ヤフー系の事業も行っているよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- ソフトバンクがどんな企業か知りたい
- ソフトバンクの業績が知りたい
2021年2月4日に第3四半期決算が発表された、ソフトバンクを分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標からソフトバンクに投資するかどうか判断することができます。
なお、今回ご紹介するのは携帯キャリアのソフトバンク<9434>です。
親会社のソフトバンクグループ<9984>とは異なりますので、ご注意ください。
また本記事は、個別銘柄を買う時の「8つのポイント」に沿って解説していきます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
ソフトバンク(9434)の事業概要


ここからは、ソフトバンクが行っている事業について解説していきます。
ソフトバンクの会社概要
ソフトバンク株式会社(SoftBank Corp.)は、ソフトバンクグループ株式会社傘下の会社で、日本で携帯電話などの無線通信サービス(移動体通信事業者)および長距離、国際通信を提供する日本の大手電気通信事業者。
Wikipedia(ソフトバンク)から引用
携帯ブランド「Softbank」や「Y!mobile」のほか、ヤフー系事業も展開しています。
ソフトバンクの報告セグメントは、次のとおりです。
- コンシューマ
- 法人
- 流通
- ヤフー
順に解説していきます。
コンシューマ
個人ユーザー向けに、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEモバイルという3つのブランドで携帯通信サービスを提供します。
また、「SoftBank光」や「SoftBank Air」によってブロードバンドサービスも提供しています。
法人
法人ユーザー向けに、携帯通信、ネットワーク、クラウド、固定電話などのサービスを提供しています。
流通
ソフトウェアの卸売販売を行います。
ソフトバンクグループの祖業でもあります。
法人向けにはICTやクラウドサービスなど、個人向けにはモバイル・PC周辺機器などを提供しています。
ヤフー
2019年6月にヤフーを連結子会社化しました。
「ヤフオク!」、「Yahoo!ショッピング」、「PayPayモール」、「ZOZOTOWN」などのコマース関連サービスを提供しています。
また「Yahoo!プレミアム」などの会員向けサービスや、クレジットカードなどの決済サービスを提供しています。
ソフトバンク(9434)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標からソフトバンクの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
ソフトバンクの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 1,420円 |
年間配当 | 86円 |
配当利回り | 6.05% |
発行株式数 | 4,787,145,170株 |
時価総額 | 6,797,746百万円 |
予想当期利益 | 492,743百万円 |
予想PER | 13.33倍 |
PBR | 5.99倍 |
現在の配当利回りは6.05%で、日本株の中でもかなり高い水準の高配当銘柄です。
ソフトバンクは、「情報・通信業」に該当します。
2021年1月の業種別平均は、PERは34.4倍、PBRは2.1倍となっています。
情報・通信業の大手他社とPER・PBRを比較します。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
ソフトバンク(9434) | 13.33倍 | 5.99倍 |
KDDI(9433) | 11.52倍 | 1.62倍 |
日本電信電話(9432) | 11.60倍 | 1.04倍 |
Zホールディングス(4689) | 58.05倍 | 4.01倍 |
ネクソン(3659) | 30.86倍 | 4.45倍 |
ドコモを子会社化した日本電信電話(NTT)やKDDIは、ソフトバンクと同じ携帯通信事業者です。
Zホールディングスは、Yahoo! JAPAN事業のほかLINEと経営統合を行っています。
ネクソンは、オンラインゲーム開発及び配信を行う会社です。
競合他社や業種別平均と比較した結果、ソフトバンクの現在の株価は、PER・PBRいずれの指標でも割高という結果になりました。
PBRとPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


過去1年では、2020年2月7日の1,516円が最高値で、2020年9月30日の1,158円が最安値となっています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 8月4日、第1四半期決算を発表。
- 9月16日、内閣総理大臣就任会見などで「携帯料金値下げ発言」
- 11月4日、第2四半期決算を発表。中間配当が50銭の増配確定で、計1円の増配見込み。
- 12月3日、NTTドコモが格安新料金プラン「ahamo」を発表。
- 12月22日、LINEを完全子会社化および吸収合併することの検討を開始したことを発表
- 同日、ソフトバンクが格安新料金プラン「SoftBank on LINE」を発表。
- 1月13日、KDDIが格安新料金プラン「povo」などの料金体系を発表。
- 1月29日、楽天モバイルが格安新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表。
- 2月4日、第3四半期決算を発表。
菅さんが総理大臣になることが濃厚となってきた頃から、株価が急降下しました。
その後は緩やかに回復傾向にあります。
売上高、経常利益の推移
ソフトバンクの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


売上高・経常利益ともに右肩上がりに推移していることがわかります。
今後も成長が期待できる素晴らしい内容ですね。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移


営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
ソフトバンクの営業利益率は18%を超えており、高い水準です。
ちなみにKDDIやかつてのNTTドコモも、同程度の営業利益率を推移しています。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
ソフトバンクのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


常に営業CFが黒字で推移しています。
また、多くの年で営業CFが黒字かつ、投資CFと財務CFが赤字となっており、最も理想的なキャッシュフローです。
本業でお金を増やしつつ、新たな設備投資や借入金の返済に充てているという状態ですね。
自己資本比率の推移


一般的に自己資本比率は、最低でも40%を超えていないと倒産リスクが高まります。
ソフトバンクの自己資本比率は直近で20%を切っています。
NTTドコモは直近で69.7%、KDDIは直近で45.8%となっており、同業者と比較してもかなり低いことがわかります。
ソフトバンクに投資する上では懸念材料となりますね。
自己資本比率(%)=純資産(総資産-負債)÷総資産
ROE、ROAの推移


このグラフは、ソフトバンクのROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度です。
ソフトバンクは自己資本比率が低いですが、ROEが20%を超えるというかなり高い水準になっています。
KDDIは直近で14.59%、NTTドコモは11.27%ですので、同業者と比較しても高いですね。
ROEは、少ない自己資本でいかに効率よく利益を上げているかを表す指標です。
米国では自己資本比率よりも、ROEを重要視する傾向があります。
ソフトバンクは、借入による事業拡大を優先していることがわかります。
なおROAの日本株平均は3%程度です。
ソフトバンクはROAも高く、総資産も多く保有しすぎないようにしていることがわかります。
ROE(%)=当期純利益(ドル)÷純資産(ドル)
ROA(%)=当期純利益(ドル)÷総資産(ドル)
株主優待


ソフトバンクには、株主優待はありません。
配当金、配当性向
ソフトバンクの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
14年3月 | 55.1円 | 55.12% |
15年3月 | 532.34円 | 511.76% |
16年3月 | 101.52円 | 104.26% |
17年3月 | 96.47円 | 94.42% |
18年3月 | 0.26円 | 284.66% |
19年3月 | 37.5円 | 38.81% |
20年3月 | 85円 | 84.01% |
21年3月(予想) | 86円 | 82.58% |
配当金にかなりのばらつきがありますが、ソフトバンクが上場したのは2018年12月です。
19.3期の配当金は期末配当のみですので、実質20.3期から比較するしかありません。
配当性向は80%を超えており、一般的には高すぎる水準です。
しかし、ソフトバンクは配当方針として配当性向85%程度を目安にすると発表しており、意図的なものであることがわかります。
配当利回りが6%を超える正体は、配当性向の高さが原因ということです。
まず、既に85%に近い配当性向となっているので、利益が右肩上がりに伸びなければ増配は期待できません。
そして、ROAの高さからもわかるように、現金残高は少なめに設定されています。
利益が右肩下がりとなれば、現金が少ない中で配当を維持することは難しく、減配リスクが高まります。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


おおよそ横ばいに推移していますが、上場以降は右肩上がりに伸びています。
このまま利益が増え続ければ、増配も期待できます。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
ソフトバンクの第3四半期決算内容
2021年2月4日に、ソフトバンクの第3四半期決算が公表されました。
第3四半期(2020年4月1日から2020年12月31日)連結経常利益は、約7,462億円でした。
これは、前年同期比2.3%増となっています。
セグメント利益は、次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 増減 |
---|---|---|
コンシューマ | 5,750億 | +1.3% |
法人 | 931億 | +20.8% |
流通 | 196億 | +22.3% |
ヤフー | 186億 | +15.1% |
いずれのセグメントも前年同期比プラスとなりました。
法人では、テレワークの需要の高まりによって、法人向けモバイルの契約数やテレワーク関連商材の売上が伸びました。
流通では、行政の大型プロジェクトを受注したことや、クラウド、サブスク事業などが堅調に推移しました。
ソフトバンク(9434)を徹底分析! まとめ



ソフトバンクのことがなんとなくわかったよ。



高配当利回りだけど、投資家によって好みは分かれるところだね。
ここまで、ソフトバンクについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- ソフトバンクは携帯事業のほかに、ヤフー系事業も行っている
- ソフトバンクは売上・利益ともに右肩上がりで、キャッシュフローも良好である
- ソフトバンクは高配当利回りだが、配当性向の異常な高さと自己資本比率の低さで、減配リスクは常にある
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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