
日本電信電話ってどんな銘柄なの?



財務的にとても安定した企業で、高配当も期待できるよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 日本電信電話がどんな企業か知りたい
- 日本電信電話の業績が知りたい
2020年11月6日に第2四半期決算が発表された、日本電信電話を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から日本電信電話に投資するかどうか判断することができます。
四半期ごとの決算や直近のトピックについて、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
日本電信電話(9432)の事業概要


ここからは、日本電信電話が行っている事業について解説していきます。
日本電信電話の会社概要
日本電信電話株式会社(にっぽんでんしんでんわ、英語: Nippon Telegraph and Telephone Corporation、略称: NTT)は、日本電信電話株式会社等に関する法律(NTT法)に基づき、通信事業を主体とする企業集団であるNTTグループの持株会社として設立された特殊会社。
Wikipedia(日本電信電話)より引用
日本たばこ産業(JT)と同じく、法律に基づき設置されている特殊会社です。
財務大臣が株式の3分の1を保有しています。
JTの事業概要などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
日本電信電話は、次の5つを報告セグメントとしています。
- 移動通信事業
- 地域通信事業
- 長距離・国際通信事業
- データ通信事業
- その他事業
順に解説していきます。
移動通信事業
携帯電話事業や、それに関連する事業を行います。
ドコモの携帯通信サービス、プロバイダ(ぷらら)、ひかりTVなどのサービスを展開しています。
地域通信事業
県内通信サービスの提供を行っています。
NTT東日本、NTT西日本が提供する「加入電話」や「フレッツ光」などのサービスを展開しています。
長距離・国際通信事業
県間通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業などを行っています。
ソリューション事業とは、法人などが抱える課題解決をサポートする事業です。
データ通信事業
システムインテグレーションサービスや、ネットワークシステム等の事業を行っています。
システムインテグレーションサービスとは、企業の情報システムの構築を請け負うITサービスのことです。
その他事業
不動産事業、金融事業、電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業などを行っています。
日本電信電話(9432)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から日本電信電話の株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
日本電信電話の株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 2,750.5円 |
年間配当 | 100円 |
配当利回り | 3.63% |
発行株式数 | 3,900,788,940株 |
時価総額 | 10,729,119百万円 |
予想当期利益 | 922,469百万円 |
予想PER | 11.75倍 |
PBR | 1.05倍 |
現在の配当利回りは3.63%です。
株価が高騰していることもあり、ギリギリ高配当株と言える水準です。
日本電信電話は東証33業種では、「情報・通信業」に分類されています。
2020年12月の業種別平均では、情報・通信業はPERが34.2倍、PBRが2.0倍となっています。
情報・通信業の他社銘柄と比較してみましょう。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
日本電信電話(9432) | 11.75倍 | 1.05倍 |
KDDI(9433) | 11.45倍 | 1.61倍 |
ソフトバンク(9434) | 12.63倍 | 5.67倍 |
Zホールディングス(4689) | 61.76倍 | 4.27倍 |
ネクソン(3659) | 30.37倍 | 4.38倍 |
KDDIやソフトバンクは、日本電信電話と同じ携帯通信事業者です。
Zホールディングスは、Yahoo! JAPAN事業のほかLINEと経営統合を行っています。
ネクソンは、オンラインゲーム開発及び配信を行う会社です。
これらすべてが、「情報・通信業」として業種別平均を計算しています。
情報・通信業に分類される銘柄のPER・PBRを見る時は、業種別平均よりも業務形態の近い企業と比較すると良いですね。
日本電信電話の現在の株価は、PERで見ると平均的、PBRで見ると割安という結果になりました。
なお、PER・PBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


過去1年では、2020年2月7日の2,908円が最高値で、2020年10月2日の2,127円が最安値となっています。
この2,127円は、1987年2月に上場して以来最安値となっています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 5月15日、19.3期の決算を発表。
- 8月11日、第1四半期決算を発表。
- 9月29日、株式会社NTTドコモ株式の公開買い付け開始について発表。
- 11月6日、第2四半期決算を発表。
- 11月16日、株式会社NTTドコモ株式の公開買い付けを完了したことを発表。
- 12月3日、ドコモが格安新料金プラン「ahamo」を発表。
日本電信電話(NTT)がNTTドコモの完全子会社化を目指すというニュースは、とても大きな話題となりました。
この発表があった時点で、既にNTTドコモの株式を約66%保有しており、強力な議決権は持っていました。
完全子会社をするということは、NTTドコモの株式を100%保有して、NTTドコモを上場廃止させるということです。
NTTドコモの株式買付は、TOB(公開買い付け)という方法によって行われました。
TOBによって、11月16日に約91%の株式買付を完了し、12月25日にNTTドコモの上場を廃止、同29日に完全子会社すると発表しました。
今回の例では、NTTドコモの株主に対して株の買取金額を提示し、売却する人を募集します。
速やかに売却を進めるために、買取金額は市場価格よりも高めに設定されることが多いです。
売上高、経常利益の推移
日本電信電話の売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


21.3期は売上高は減収、経常利益は若干増益見込みです。
それまでは、売上高・経常利益ともに綺麗な右肩上がりで伸びています。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移


営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
日本電信電話の営業利益率はほとんどの年で10%を超えており、特に近年は非常に良好な水準にあります。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
日本電信電話のキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


右肩上がりではないものの、常に営業CFが大きくプラスで推移しています。
あらゆるキャッシュフローがほぼ横ばいに推移していて、安定した経営を続ける成熟企業ですね。
資金繰りに困る心配は全くありませんね。
20.3期は自社株買いを行っており、前期と比べて財務CFが大きく膨らんでいます。
なお自社株買いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
自己資本比率の推移


自己資本比率は、最低でも40%を超えていないと倒産リスクが高まります。
自己資本比率が60%を超えていれば、かなり安心できる状態にあります。
先述したように、20.3期に自社株買いを行ったことで自己資本比率が低下しており、40%を下回っている状況です。
21.3期はNTTドコモ株の買い付けにあたって借入金を増やしているので、最終的な負債がどうなるのか少し気になるところです。
株主優待


日本電信電話には、株主優待があります!
100株以上を保有した継続保有している株主が対象です。
継続保有年数に応じて、次のとおりdポイントが付与されます。
保有期間2年以上 | 1,500ポイント |
保有期間5年以上 | 3,000ポイント |
配当金、配当性向
日本電信電話の配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
11年3月 | 30円 | 31.16% |
12年3月 | 35円 | 35.92% |
13年3月 | 40円 | 35.14% |
14年3月 | 42.5円 | 31.8% |
15年3月 | 45円 | 38.56% |
16年3月 | 55円 | 27.13% |
17年3月 | 60円 | 30.99% |
18年3月 | 75円 | 30.23% |
19年3月 | 90円 | 36.7% |
20年3月 | 95円 | 41.49% |
21年3月(予想) | 100円 | 43.0% |
過去に株式分割等を行っているので、現在の発行済み株式数に応じて配当金額を調整して表記しています。
現在日本電信電話は、9期連続増配を達成しています。
21.3期も増配見込みで、配当性向も適正な水準にあります。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


EPSは1株当たりの利益のことで、右肩上がりに伸びている状態が望ましいです。
日本電信電話はほぼ右肩上がりで伸びており、近年はやや横ばいに推移しています。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
日本電信電話の第2四半期決算内容
2020年11月6日に、日本電信電話の第2四半期決算が公表されました。
連結経常利益の、第2四半期累計(2020年4月1日から2020年9月30日)は、約1兆50億円でした。
これは、前年同期比0.3%増となっています。
第2四半期累計のセグメント利益は約1兆86億円で、前年同期比26.2%増です。
セグメント別の増減は次のとおりです。
セグメント | 前年同期比 |
---|---|
移動通信事業 | +4.3% |
地域通信事業 | △5.5% |
長距離・国際通信事業 | +34.0% |
データ通信事業 | +0.1% |
その他 | △4.4% |
ドコモなどが事業を行う移動通信事業は、「ギガホ」、「ギガライト」などのユーザー還元を拡大したことなどで減収となったものの、営業利益は若干の増益となりました。
長距離・国際通信事業では、前年度実施した海外における構造改革等のコスト削減などにより、増益となりました。
日本電信電話(9432)を徹底分析! まとめ



日本電信電話のことがなんとなくわかったよ。



自己資本比率が少し下がってきているけど、それ以外の財務指標は
「完璧」と言わざるを得ないね!
ここまで、日本電信電話について事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 日本電信電話の株価は、NTTドコモの完全子会社化や格安新料金プランなどにより高騰中。
- 日本電信電話の財務指標はほぼ完ぺき。自己資本比率の改善が待たれる。
- 日本電信電話は9期連続増配中。さまざまな面で安定感抜群な銘柄。
この記事では、過去10年の決算内容をファンダメンタル分析してきました。
四半期ごとの決算や直近のトピックについて、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
まみこでした。


コメント