
この前紹介した東京海上HDは、最近どうなの?

2月10日に、第3四半期決算が発表されたよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 東京海上HDがどんな銘柄か知りたい
- 東京海上HDの最新の業績を知りたい
この記事では、2021年2月10日に発表された東京海上HDの2021年3月期第3四半期決算の内容についてご紹介します。
過去の業績や財務指標については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
東京海上HD(8766)の事業概要

ここからは、東京海上HDが行っている事業について解説していきます。
東京海上HDの会社概要
東京海上ホールディングス株式会社(とうきょうかいじょうホールディングス、英文社名:Tokio Marine Holdings, Inc.)は、日本の保険持株会社である。
Wikipedia(東京海上ホールディングス)より引用
持株会社とは、他社を支配することを目的に、株式を多数保有することを事業としている会社です。
ホールディングカンパニーとも呼ばれます。
東京海上HDの報告セグメントは、次のとおりです。
- 国内損害保険事業
- 国内生命保険事業
- 海外保険事業
- 金融・一般事業
順に解説していきます。
国内損害保険事業
日本国内の損害保険引受業務や、資産運用業務などを行っています。
国内生命保険事業
日本国内の生命保険引受業務や、資産運用業務等を行っています。
海外保険事業
海外の保険引受業務や、資産運用業務などを行っています。
金融・一般事業
投資顧問業、投資信託委託業、人材派遣業、不動産管理業、介護事業などを行っています。
東京海上HD(8766)が第3四半期決算を発表!

2021年2月10日に、東京海上HDの第3四半期決算が発表されましたので、その内容を解説していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
東京海上HDの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 5,534円(+111円) |
年間配当 | 235円 |
配当利回り | 4.24%(△0.09%) |
発行株式数 | 702,000,000株 |
時価総額 | 3,884,868百万円 |
予想当期利益 | 208,475百万円 (△117,313百万円) |
PER | 19.24倍(+0.35倍) |
PBR | 1.11倍(+0.02倍) |
株価は、前回記事をアップした2021年1月22日終値から111円(+2.04%)値上がりしました。
配当利回りは少し下がりましたが、依然として4%台の高配当銘柄です。
また、予想当期利益が大きく下がった割に株価が上がっているので、PERが更に高くなりました。
(会社予想に変更はなく、コンセンサス予想が下がって会社予想の近似値となりました)
2021年1月の「保険業」業種別平均では、PERは14.0倍、PBRは0.8倍となっています。
他社保険業と、予想PER、PBRを比較してみます。
銘柄 | PER | PBR |
---|---|---|
東京海上HD(8766) | 19.24倍 | 1.11倍 |
かんぽ生命保険(7181) | 9.18倍 | 0.50倍 |
第一生命HD(8750) | 10.96倍 | 0.46倍 |
SOMPO HD(8630) | 11.18倍 | 0.92倍 |
いずれも大手保険業者ですが、いずれもしっかり黒字予想となっており、PER値は適正です。
東京海上HDの現在の株価は、PER・PBRいずれもかなり割高と言えるでしょう。
PER・PBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
過去3ヶ月の株価変動は次のとおりです。

過去3ヶ月では、2020年11月13日の5,108円が最安値で、翌1月14日の5,700円が最高値となっています。
その値上がり幅は592円(11.58%)にも及び、ボラティリティが高くなっていますね。
なお、過去1年の最高値は2020年2月6日の6,317円であり、3月暴落前の水準には未だ達していません。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 11月19日、第2四半期決算、通期業績予想の上方修正を発表。
- 同日、配当金と自己株式取得に関するお知らせを発表。配当予想について、25円減配から10円増配へ修正。
- 2月10日、第3四半期決算を発表。
- 2月12日、自己株式の消却に関するお知らせを発表。
自己株式の消却をすれば、再び自社株が市場に流通して、株価が下がる懸念がなくなることから、投資家の好感を得ます。
自己株式の取得については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
株主優待

東京海上HDには、株主優待はありません。
第3四半期決算の概要
2021年2月10日に、東京海上HDの2021年3月期第3四半期決算が公表されました。
連結経常利益は、約1,824億円でした。
これは、前年同期比39.0%減となっています。
セグメント別の利益および増減は次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 前年同期比 |
---|---|---|
国内損害保険 | 1,214億 | △19.9% |
国内生命保険 | 516億 | +66.3% |
海外保険 | 21億 | △98.0% |
金融・一般 | 69億 | +46.4% |
計 | 1,821億 | △39.1% |
前年同期比プラスとなっているセグメントもありますが、全体では減益となっています。
国内損害保険では、支払保険料は大きく減っているものの、自動車損保などの保険料収入が大きく減りました。
国内生命保険では、新規契約などにより、大きな増益となっています。
海外保険では、経常収益は微増したものの、経常利益は大きく減益となりました。
これは経常費用が増加したことを指しますが、明確な理由については示されていません。
全事業での損益計算書を見た時に、資産運用費用、特に有価証券売却損や有価証券評価損を計上しています。
今般の情勢によって、世界中の株価が大暴落し、日本や米国以外の多くは未だ株価が低調に推移しています。
これが原因と予想することはできますが、開示資料だけでは明確にはわかりません。
東京海上HDの決算短信や有価証券報告書は、減益などの「事実」ばかりが書かれていて、「原因」の部分にほとんど追求していません。
義務ではないのでやむを得ないのですが、投資家目線では、少し不親切かなと感じます。
当期利益予想に基づく配当性向は?
当期利益予想について、会社予想に変更はないものの、コンセンサス予想が下がりました。
それぞれ、EPSや配当性向をご紹介します。
会社予想 | コンセンサス予想 | |
---|---|---|
当期利益 | 200,000百万円 | 208,475百万円 |
EPS | 284.90円 | 296.97円 |
配当性向 | 82.4% | 79.1% |
いずれも配当性向は80%前後となりました。
配当の方針として、配当性向の目安は示されていませんが、近年の配当性向が60%前後ということを考えると少し高いですね。
東京海上HDは「普通配当」で連続増配を継続中なので、これくらいの配当性向であれば増配が期待できます。
ただし、当期純利益が会社予想以上に下がると、増配が困難となることも考えられます。
経常利益ベースですが、会社予想進捗率は58.8%と芳しくありません。
ケアネットとの資本業務提携について

東京海上HDとケアネットは、新たな保険商品とヘルスケアサービスの開発に向けて資本業務提携を締結しました。
ケアネットは、医療従事者向けの医療情報サイトCareNet.comを運営する医療情報企業です。
東京海上HDは、ケアネットが有する産業保健領域の膨大なデータに基づく疾病予測の知見を活用し、新たな保険商品やヘルスケアサービスを企画・開発していきます。
売上高、キャッシュフロー、配当推移など
東京海上HDの過去の売上高やキャッシュフロー、配当推移などは、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
東京海上HD(8766)が21.3期3Q決算を発表! まとめ

最近の東京海上HDのことがなんとなくわかったよ。

経常利益の対会社予想進捗率が、あまり良くないのが気がかりだね。
ここまで、東京海上HDの21.3期第3四半期決算内容について解説してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 東京海上HDの株価は、過去3ヶ月ボラティリティが大きいものの、3月暴落前の水準には達していない
- 東京海上HDは、海外保険セグメントで大きな減益となっているものの、国内では堅調に推移している
- 東京海上HDの経常利益は、会社予想進捗率が60%弱となっており、増配撤回など不安が残る
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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その5つの理由について解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

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