
東京海上HDってどんな銘柄なの?



損保・生保事業のほかに一部金融事業も行う大手保険会社だよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 東京海上HDがどんな企業か知りたい
- 東京海上HDの業績が知りたい
2020年11月19日に第2四半期決算が発表された、東京海上HDを分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から東京海上HDに投資するかどうか判断することができます。
また本記事は、個別銘柄を買う時の「8つのポイント」に沿って解説していきます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
東京海上HD(8766)の事業概要


ここからは、東京海上HDが行っている事業について解説していきます。
東京海上HDの会社概要
東京海上ホールディングス株式会社(とうきょうかいじょうホールディングス、英文社名:Tokio Marine Holdings, Inc.)は、日本の保険持株会社である。
Wikipedia(東京海上ホールディングス)より引用
持株会社とは、他社を支配することを目的に、株式を多数保有することを事業としている会社です。
ホールディングカンパニーとも呼ばれます。
東京海上HDの報告セグメントは、次のとおりです。
- 国内損害保険事業
- 国内生命保険事業
- 海外保険事業
- 金融・一般事業
順に解説していきます。
国内損害保険事業
日本国内の損害保険引受業務や、資産運用業務などを行っています。
国内生命保険事業
日本国内の生命保険引受業務や、資産運用業務等を行っています。
海外保険事業
海外の保険引受業務や、資産運用業務などを行っています。
金融・一般事業
投資顧問業、投資信託委託業、人材派遣業、不動産管理業、介護事業などを行っています。
東京海上HD(8766)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から東京海上HDの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
東京海上HDの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 5,423円 |
年間配当 | 235円 |
配当利回り | 4.33% |
発行株式数 | 702,000,000株 |
時価総額 | 3,806,946百万円 |
予想当期利益 | 325,788百万円 |
予想PER | 18.89倍 |
PBR | 1.09倍 |
現在の配当利回りは4.33%で、高配当な水準にあります。
東京海上HDは、「保険業」に該当します。
2020年12月の業種別平均でPERは14.2倍、PBRは0.8倍となっています。
保険業大手企業とPER・PBRと比較してみます。
銘柄 | PER | PBR |
---|---|---|
東京海上HD(8766) | 18.89倍 | 1.09倍 |
かんぽ生命保険(7181) | 9.20倍 | 0.50倍 |
第一生命HD(8750) | 9.93倍 | 0.42倍 |
SOMPO HD(8630) | 10.61倍 | 0.87倍 |
他社や業種別平均と比較して現在の株価は、PER、PBRともに割高な水準にあることがわかります。
なお、PBRとPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


過去1年では、2020年2月6日の6,317円が最高値で、2020年3月19日の4,167円が最安値となっています。
2020年3月に暴落したものの、騰落を繰り返しながら、徐々に株価を回復しています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 5月20日、20.3期通期決算を発表。
- 8月7日、21.3期第1四半期決算を発表。
- 同日、21.3期の通期業績予想について、「未定」状態から前期比減益予想を発表。
- 11月19日、21.3期第2四半期決算を発表。
- 同日、普通配当に加えて特別配当を行うこと、自己株式取得を実施することを発表。
20.3期の配当金は、普通配当だけで見れば増配、特別配当を含めると15円の減配でした。
21.3期については、普通配当で10円の増配、特別配当は前期と同額となっています。
経常収益、経常利益の推移
東京海上HDの経常収益と経常利益の推移は次のようになっています。


保険業は売上高という概念がないため、「経常収益」として表記しています。
21.3期は減収減益見込みですが、それまではどちらも綺麗な右肩上がりで推移していました。
21.3期も最小限の減収減益に抑えられており、何の問題もないでしょう。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
※生命保険の場合は「営業」、「営業外」という概念がなく、まとめて経常利益として整理します。
営業利益率の推移
営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
保険業は「保険料を預かる」という業務の特殊性から、営業利益という考え方がありませんので、今回は省略します。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
東京海上HDのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


営業利益率が常にプラス、投資CFと財務CFがおおよそマイナスで推移しており、最も理想的なキャッシュ・フローです。
営業活動から生まれた資金で、新たな投資活動(投資CF)、借金の返済・配当金の支払い(財務CF)を行っているということです。
20.3期は財務CFが大きなプラス、投資CFが大きなマイナスとなっています。
「債券貸借取引受入担保金」が大きく増加したことで、財務CF増の主な原因です。
また、「有価証券取得による支出」が投資CF大きなマイナスの原因です。
- 債券貸借取引受入担保金とは、現金担保付債券貸借取引(レポ取引)により担保として受け入れた額のことです。
- レポ取引とは、その名の通り、現金を担保とした債券の消費貸借契約のことです。
また保険業は、資産運用が重要な業務の一つです。
有価証券の取得は、営業活動の一部という見方もできますね。
自己資本比率の推移


自己資本比率は、最低でも40%を超えていないと倒産リスクが高まります。
自己資本比率が60%を超えていれば、かなり安心できる状態にあります。
ただし保険業は、業務形態から自己資本比率が低くなりやすい傾向にあります。
被保険者が支払った保険料は、「預かっている」という扱いだからです。
つまり保険料は、貸借対照表において「資産の部」と「負債の部」の両方に載せられるので、自己資本比率が低くなりやすいのです。
具体的には、資産の部では、現金や有価証券などです。
負債の部では、保険契約準備金などです。
自己資本比率(%)=純資産(総資産-負債)÷総資産
株主優待


東京海上HDには、株主優待はありません。
配当金、配当性向
東京海上HDの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
11年3月 | 50円 | 55.48% |
12年3月 | 50円 | 638.94% |
13年3月 | 55円 | 31.07% |
14年3月 | 70円 | 23.96% |
15年3月 | 95円 | 24.81% |
16年3月 | 110円 | 31.87% |
17年3月 | 140円 | 34.45% |
18年3月 | 160円 | 40.11% |
19年3月 | 250円 | 62.87% |
20年3月 | 225円 | 59.62% |
21年3月(予想) | 235円 | 82.02% |
東京海上HDは、普通配当のほかに、「資本水準調整のための一時的な配当」を支出している特徴があります。
この合計で見れば20.3期に減配していますが、あくまで普通配当単体でみれば連続増配記録を継続している、という扱いになります。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


EPSは1株当たりの利益のことで、右肩上がりに伸びている状態が望ましいです。
21.3期は減益見込みであるものの、それまでは右肩上がりに伸びていました。
業績が元通り回復すれば、今後も安定して増配が期待できる企業ですね。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
東京海上HDの第2四半期決算内容
2020年11月19日に、東京海上HDの第2四半期決算が公表されました。
連結経常利益の、第2四半期累計(2020年4月1日から2020年9月30日)は、約1,091億円でした。
これは、前年同期比26.0%減となっています。
第2四半期累計のセグメント利益も同じく約1,091億円で、前年同期比26.0%減です。
セグメント別の増減は次のとおりです。
セグメント | 前年同期比 |
---|---|
国内損害保険 | +127.12% |
国内生命保険 | +61.6% |
海外保険 | 今期赤字、 前期黒字 |
金融・一般 | +55.94% |
今般の情勢もあり、損害保険や生命保険事業に注力して事業を展開しました。
この結果、最低限の減益に抑えることができました。
東京海上HD(8766)を徹底分析! まとめ



東京海上HDのことがなんとなくわかったよ。



どの財務指標を見ても、何の問題もないね!配当利回りも高いし、良い投資先なんじゃないかな。
ここまで、東京海上HDについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 東京海上HDは、損保・生保事業のほか、一部金融事業なども行う大手保険会社である
- 東京海上HDは、配当利回りが一定して高く、高配当銘柄として魅力的である
- 東京海上HDの財務指標は、当面何の問題もない。ただし、現在の株価はやや割高なので注意。
こちらの記事では、東京海上HDの第3四半期決算を分析しています。
決算内容のほか、主要トピックについても解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。


まみこでした。


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