
まみこが投資しているオリックスってどんな会社なの?



リース事業を主軸に、いろいろな事業を行っているよ。
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- オリックスがどんな企業か知りたい
- オリックスの業績が知りたい
投資初心者の方向けの記事をまとめた、「投資の始め方。」を公開しています。
記事を読み進める中で、もしわからないことがあればこちらの記事も読んでみてください。
オリックス(8591)の事業概要


ここからは、オリックスが行っている事業について解説していきます。
オリックスの会社概要
オリックス株式会社(英: ORIX Corporation)は、大阪府大阪市に本社を置く、日本の大手総合リース企業である。祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、ベンチャーキャピタル、プロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けており、グループを通して多角的金融サービス業を提供している。
ウィキペディア(Wikipedia)から引用
リース事業とは、お客さんが必要な設備などを代わりに購入して、お客さんに貸し出しをすることで収益を得る事業です。
似たもので「レンタル事業」がありますが、レンタル事業は、需要があるものなどをあらかじめ事業者側が用意して、不特定多数の人に貸して収益を得る事業です。
「お客さん」が主体なのか、貸し出す「モノ」が主体なのかが異なります。
①法人営業・メンテナンスリース
自動車および電子計測器・IT関連機器などのリースおよびレンタル事業を行っています。
「弥生会計」や「やよいの青色申告」などの「弥生シリーズ」が有名です。
21.3期の第2四半期累計は、前年同期比23%減となっています。
②不動産
不動産開発・賃貸・管理、施設運営、のほか不動産のアセットマネジメントを行っています。
コロナショックなどにより、運営施設の休館、賃貸不動産売却益の減少がありました。
21.3期の第2四半期累計は、前年同期比27%減となっています。
③事業投資・コンセッション
コンセッションとは、高速道路や空港などの公共施設において、施設の所有権はそのままで、運営権のみを民間事業者に売却することです。
オリックスは空港コンセッション事業を行っています。
利用客の激減により、21.3期の第2四半期累計は前年同期比79%減という大打撃を受けています。
④環境エネルギー
国内外で、再生可能エネルギー事業(太陽光、水力、地熱、風力発電など)を幅広く行っています。
コロナ禍においても堅調に推移しており、21.3期第2四半期累計は前年同期比66%増となっています。
⑤保険
生命保険事業を行っています。
コロナ禍においても堅調に推移しており、21.3期第2四半期累計は前年同期比34%増となっています。
⑥銀行・クレジット
銀行は、投資用不動産ローン、カードローン、投資信託などを取り扱っています。
店舗やATMを置かず、固定費は最小限に抑えられています。
クレジットは、ローン、信用保証、モーゲージバンクを柱に一般消費者向けに事業を行っています。
コロナ禍においても堅調に推移しており、21.3期第2四半期累計は前年同期比29%増となっています。
⑦輸送機器
航空機のリースや管理を行うほか、船舶関連の投融資を行っています。
投融資とは、お金を出したり貸したりすることを言います。
21.3期第2四半期累計は47億円で、前年同期比121億円のマイナス、72%の減益となっています。
⑧ORIX USA
アメリカでローン事業やアセットマネジメント事業を行っている企業を買収し、事業を行っています。
21.3期の第2四半期累計は、前年同期比68%減となっています。
とはいえ、第1四半期が2億円、第2単四半期が112億円となっており、大幅に改善しています。
⑨ORIX Europe
アメリカやオランダに拠点を置く資産運用会社を買収し、アセットマネジメント事業を行っています。
21.3期第2四半期累計は前年同期比2%減となっています。
⑩アジア・豪州
香港、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、インド、韓国、中国などを対象に、リース事業やローン事業などを行っています。
また、中国最大の飲料メーカーである「農夫山泉」へ投資を行っています。
前第2四半期に既存投資先の有価証券売却益を計上したことの反動や、中国の投資先に対しての減損を計上したことなどにより、前年同期比は76%減となっています。
オリックス(8591)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標からオリックスの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
オリックスの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 1,598.5円 |
年間配当 | 76円 |
配当利回り | 4.75% |
発行株式数 | 1,313,954,980株 |
時価総額 | 2,100,357百万円 |
予想当期利益 | 201,788百万円 |
予想PER | 10.40倍 |
PBR | 0.66倍 |
オリックスは東証33業種では、その他金融業に分類されています。
2020年11月の業種別平均では、その他金融業はPERが8.6倍、PBRが0.4倍となっており、他業種に比べて割安になりやすい傾向にあります。
オリックスの場合、同業種平均と比較してPER、PBRいずれも少し割高になっていますね。
年初来の株価変動は次のとおりです。


2020年の年初来高値は2月6日の1,958.5円です。
コロナショックを受けて急落し、3月23日に年初来安値1,100.5円を記録しています。
6月初旬に急騰して1,500円台後半を記録しましたが、7月終わりにかけて下落し、再び1,100円台前半を記録しています。
その後は1,300円台から1,400円台を推移していましたが、11月初旬頃から急騰して現在まで、1,500円台後半から1,600円台を維持しています。
それぞれの株価上昇局面には、次のようなニュースがありました。
- 5月21日に21.3期の中間配当予想が発表されて、前期と同じ35円だった。
- 11月2日に「自己株式取得決定のお知らせ」を発表。
- 11月2日に、21.3期の期末配当予想が発表されて、前期と同じ41円だった。
コロナショックによる業績悪化で厳しい状況ではありますが、引き続き株主還元を積極的に行っていくことを示したことで、投資家から好感を得て、株価が上昇しました。
自己株式取得とは?



自己株式取得ってどういうこと?



市場にある自社の株を取得することで、市場に流通している株を減らすことだよ!「自社株買い」とも言うんだ。
自社株買いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
株主優待


オリックスには、株主優待があります!
1.ふるさと優待
オリックスグループの取引先が取り扱う商品を厳選した「カタログギフト」です。
対象者は100株以上を保有している株主に限ります。
なお、100株以上を3年以上継続保有している場合は「Aコースカタログ」、3年未満の場合は「Bコースカタログ」の中から欲しい商品を選ぶことになります。
2.株主カード
保有株式数に限らず、全ての株主が対象となります。
株主カードを提示することで、オリックスグループの各種サービスを割引価格で利用することができます。
宿泊や食事、レジャー施設など、さまざまな用途で使うことができます。
配当金、配当性向
配当性向とは、当期純利益のうちどれだけを配当金として株主に還元するかをパーセンテージで表したものです。
ちなみに、優待券は配当性向には含まれません。
配当性向が高すぎる企業は今後の経営に不安が残りますし、安定した経営をしているのに配当性向が低い企業は投資家から避けられてしまいます。
一般的に配当性向は30%前後が目安とされています。
オリックスの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
2011年 | 8円 | 13.0% |
2012年 | 9円 | 11.6% |
2013年 | 13円 | 12.6% |
2014年 | 23円 | 15.6% |
2015年 | 36円 | 20.1% |
2016年 | 45.75円 | 23.0% |
2017年 | 52.25円 | 25.0% |
2018年 | 66円 | 27.0% |
2019年 | 76円 | 30.0% |
2020年 | 76円 | 32.0% |
2021年(予想) | 76円 | 50.0% |
オリックスは近年は配当金を前年維持としているものの、2018年までは配当性向30%を目指して毎年増配していました。
今期の配当方針について、2020年11月2日にオリックスから次のような発表がありました。
当社は、今期の配当につきましては、配当性向50%もしくは1株当たり通期配当金76円のいずれか高い方を採用し、通期配当予想を決定することにしました。
(一部抜粋)剰余金配当(中間配当)および期末配当予想に関するお知らせ(オリックス株式会社・2020年11月2日)
つまり、前期維持の配当金76円は確実で、それでもなお配当性向が50%に満たない場合は増配もあり得るということです。



増配になりそう?



当期純利益予想は201,788百万円で、配当性向は約49%になるから、このままいけば配当金は76円だね!
配当金については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
売上高・経常利益の推移
オリックスの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


売り上げは15.3期から右肩上がりに急伸し、2018年3月期に過去最高の2兆8,627億円を記録しました。
19.3期から売上高は少し下がっていますが、経常利益がほぼ横ばいで推移しているので、まだそれほど心配する必要はありません。
21.3期は、主に航空機リースや空港コンセッションが大きな打撃を受けて減益となる見込みです。
その他のセグメントは回復基調にあり、減収は最小限に抑えられている印象です。
なお、15.3期に売上高が大きく伸びているのは、期中に買収したハートフォード生命の連結子会社化によって、ハートフォード生命の売上高を計上したことが主な原因です。
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
オリックスのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


本業のお金の動きを表す営業CFが常にプラスで推移している点が素晴らしいです。
20.3期に投資CFが大きく増加していますが、キャッシュ・フローの表示区分が変わったことによるものです。
現金および現金同等物も右肩上がりに増えていますね。
なお、それぞれのキャッシュ・フローの意味を簡単に説明すると、次のようになります。
- 営業活動によるキャッシュ・フロー(営業CF)
-
本業における資金の動き
- 税引前当期純利益
- 減価償却費 など
- 投資活動によるキャッシュ・フロー(投資CF)
-
設備投資など、将来に向けたキャッシュ・フロー
- 定期預金の増減
- 固定資産の取得・売却
- 有価証券の取得・売却 など
- 財務活動によるキャッシュ・フロー(財務CF)
-
資金調達活動によるキャッシュ・フロー
- 短期借入による増減
- 長期借入による収入、借入金返済による支出
- 株主への配当金の支払い など
- 現金及び現金同等物
-
- 現金(紙幣・硬貨)
- 普通預金・当座預金
- 預入期間が3か月以内の定期預金 など
- フリーキャッシュ・フロー(フリーCF)
-
自由に使えるお金という意味。
「営業CF」と「投資CF」を足すことで求められる。
オリックスの第2四半期決算内容
2020年11月2日に、オリックスの第2四半期決算が公表されました。
連結経常利益の、第2四半期累計(2020年4月1日から2020年9月30日)は、1,341億円でした。
これは、前年同期比41.3%減となっています。
第2四半期累計のセグメント利益は1,495億円で、前年同期比38.0%減です。
不動産、コンセッション、航空機リースが減益となっています。
逆に、環境エネルギー、生命保険、銀行・クレジットは堅調に推移しています。
オリックス(8591)を徹底分析! まとめ



オリックスのことが何となくわかったよ。



多角的に事業を行って健全経営を続けているね!高配当かつ株主優待もあって、すごく魅力的だね。
ここまで、オリックスについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- オリックスは配当利回り5%弱の高配当に加えて、株主優待も実施する超人気銘柄。
- オリックスの21.3期は航空機リース事業などが大打撃だが、その他セグメントが下支えして最小限の減収減益の見込み。
- オリックスのキャッシュ・フローは堅調に推移。資金調達力に不安はなし。
こちらの記事では、オリックスの第3四半期決算を分析しています。
決算内容のほか、主要トピックについても解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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