極東貿易<8093>を徹底分析!【高配当の理由は?長期投資はアリ?】

ペン太

極東貿易ってどんな銘柄なの?

まみこ

2021年6月時点で、日本株の高配当利回りランキングの上位にランクインされているよ。高配当の理由や長期投資として「アリ」かどうか分析していくよ。

この記事はこんな方にオススメ
  • 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
  • 極東貿易がどんな企業か知りたい
  • 極東貿易の業績が知りたい

2021年5月10日に21.3期通期決算が発表された、極東貿易を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から極東貿易に投資するかどうか判断することができます


この記事を書いているのはこんな人

まみこGX(@mamicoooGX)

目次

極東貿易(8093)の事業概要

画像出典:Unsplash

ここからは、極東貿易が行っている事業について解説していきます。

極東貿易の会社概要

1947年、連合軍総司令部覚書により三井物産の解散が命じられたため、同社の機械部門・貿易部門の関係者が主体となって設立されました。
1987年に東証2部へ上場し、2000年に東証1部銘柄に選定されました。
日本のみならず、海外にも支店や子会社を抱えています。

基幹産業関連部門

鉄鋼、非鉄、自動車などの関連機械装置、電気機械設備などの資源開発機器を販売しています。

電子制御システム関連部門

電子機器、電子部品、振動計、航空機搭載電子機器などを販売しています。

産業素材関連部門

加工機械、塗装設備、測定・分析装置、樹脂、塗料、建設用資材などを販売しています。

機械部品関連部門

ばね、ぜんまい、ねじなどを販売しています。



極東貿易(8093)の株価分析!

画像出典:Unsplash

ここからは、さまざまな指標から極東貿易の株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。

株価指標と配当利回り

極東貿易の株価指標と配当利回りは次のとおりです。

スクロールできます
株価2,323円
年間配当145円
配当利回り6.24%
発行株式数6,495,918株
時価総額15,090百万円
21.3期確定利益278百万円
22.3期予想利益850百万円※
20.12期純資産22,258百万円
予想PER17.75倍
PBR0.68倍
※2021年6月11日終値時点

※極東貿易は、22.3期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、21.3期との単純比較はできません。

配当利回りがかなり高くなっています。
極東貿易の配当利回りが高い理由は、「特別配当が支払われるから」です
後ほど詳しく解説します。

極東貿易は東証一部市場に上場しており、「卸売業」に該当します。
2021年5月の業種別平均では、PERは13.6倍、PBRは1.0倍となっています。
極東貿易は、産業用機械などの卸売りをしているので、関連する大手他社とPER・PBRを比較します

銘柄PERPBR
極東貿易(8093)17.75倍0.68倍
因幡電機産業(9934)13.00倍1.05倍
西川計測(7500)10.90倍1.26倍
東陽テクニカ(8151)15.96倍0.88倍
YKT(2693)49.16倍0.53倍
※2021年6月11日終値時点

西川計測とYKTはJASDAQ、その他の銘柄は東証一部に上場しています。
大手や業種別平均と比較した結果、次のように判断できます

極東貿易の現在の株価は、PERでみれば割高、PBRでみれば割安です。

PERは、今期(22.3期)の当期純利益予想で、株価が割安かどうかを表す、短期的視点による指標です。
PBRは、純資産残高を見た時に、株価が割安かどうかを表す、長期的視点による指標です。

PBRやPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。



なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。

画像出典:Trading View

青いチャートが極東貿易、オレンジのチャートは日経平均株価を表しています。
ゴールデンウイーク明け以降、極東貿易の株価が急上昇していることがわかります

過去1年では、2021年6月9日の2,410円が最高値で、2020年7月1日の1,233円が最安値となっています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。

  • 7月20日、取締役に対する報酬として、譲渡制限付株式を割り当てることによる自己株式処分を発表。
  • 8月11日、21.3期第1四半期決算を発表。
  • 9月28日、21.3期の連結業績予想および配当予想を発表。
  • 11月6日、21.3期第2四半期決算を発表。
  • 11月30日、連結子会社の日本システム工業がミツトヨの地震計関連事業を譲受したことを発表。
  • 2月10日、21.3期第3四半期決算を発表。
  • 5月10日、21.3期通期決算を発表。
  • 同日、新中期経営計画「KBKプラスワン2025」を策定したことを発表。

売上高、経常利益の推移

極東貿易の売上高と経常利益の推移は次のようになっています。

※左軸:売上高、右軸:経常利益

19.3期までは右肩上がりに推移していましたが、それ以降は下降しています
極東貿易についても、今般の情勢による影響は大きく、資源開発機器事業で納期遅延が発生したり、自動車業界全体の落ち込みによる収益減などがあったようです。

なお、22.3期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、それ以前との比較はできません。
この基準は、収益として計上するタイミングがバラバラだったものが統一されるなど、売上高や利益の表示に影響を及ぼすものです。
詳細は長くなるので、ここでは割愛します。

経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)

営業利益率の推移

営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示すもので、営業利益率が高ければ、本業の業績が良いと判断することができます

経産省の報告によれば、日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
その中でも産業機械器具の卸売業については、平均3%前後となっています。
卸売業や小売業は営業利益率が低いですが、少人数で大きな売上を達成できるという特徴があります

極東貿易の営業利益率はおおよそ1%から2%を推移しており、平均と比べるとやや低い状況にあります。

営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100



キャッシュ・フローの推移

キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
極東貿易のキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。

※単位は百万円

12.3期と13.3期の営業CFが赤字ですが、それ以降は黒字を継続しています。
過去10年は、概ね次のようなキャッシュフローとなっています。

  • 営業CF 黒字
  • 投資CF 黒字or赤字
  • 財務CF 赤字

財務CFが赤字の年が多く、借入金の返済や配当金支払額が、新たな借入金の額を上回っていることを意味します

投資CFが黒字の年は、本業で稼いだお金だけでは借入金の返済などが間に合わず、固定資産などを処分してキャッシュを増やしています。
逆に投資CFが赤字の年は、新たな設備投資などを行うことで事業拡大に取り組んでいることを意味します。

自己資本比率の推移

※連結自己資本比率

自己資本比率は、総資産に占める、自己資本(純資産)の割合を示すものです。
純資産は、総資産から負債を引いたものです。
つまり、自己資本比率が50%を超えていれば、負債よりも自己資本の方が多いということです。
一般的に、自己資本比率が40%を超えていれば、倒産リスクは低いと言われています

極東貿易の自己資本比率は、概ね40%前後を推移しています。
卸売業は売掛金などの流動負債が増えやすい傾向にあるため、自己資本比率が20%程度でも問題ないとする見方もあります

自己資本比率(%)=自己資本(総資産-負債)÷総資産

ROE、ROAの推移

このグラフは、極東貿易のROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度、ROA平均は3%程度です。

極東貿易は、ROEが安定せず、ROAは平均を少し下回る水準で推移しています

ROEの不安定さについては、自己資本比率は一定している一方で、営業利益が年によってバラつきがあるためです。
多くの年でROE平均を下回っており、良い数値ではありません。
ただし売上高営業利益率と同様、卸売業は利益率が低くなる傾向にあります

ROE(%)=当期純利益(円)÷純資産(円)
ROA(%)=当期純利益(円)÷総資産(円)

株主優待

画像出典:Pixabay

極東貿易には、株主優待があります!

1,000円相当のクオカード

100株以上保有の株主に対し、1,000円相当のクオカードが株主優待として贈られます。

配当金、配当性向

極東貿易の配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。

配当金配当性向
14年3月10円4.81%
15年3月18.75円6.95%
16年3月30円4.54%
17年3月35円18.29%
18年3月50円15.41%
19年3月55円24.92%
20年3月60円158.37%
21年3月60円132.01%
22年3月(予想)145円104.83%

極東貿易は20.3期から利益が落ち込んでいますが、減配をしていないため、配当性向が100%を超えています。
配当性向が100%を超えるのは、その年に稼いだ利益以上に配当金を支払っているので、これまで蓄積された利益剰余金などを食いつぶしている状況にあり、注意が必要です

22.3期の配当予想は、通期で145円と大きく増加しています。
内訳としては、普通配当が70円、特別配当が75円となっています。
特別配当について極東貿易は、「実施予定だった自己株式取得の代わりに行う」としています

極東貿易の配当利回りは6%を超えていますが、その理由はこの特別配当によるものです。
特別配当は基本的に1年限りのものですので、23.3期以降は元の水準に戻ると考えておいた方がよいでしょう
仮に普通配当70円、2021年6月11日終値2,323円の配当利回りを計算すると、3.01%となります。

(2021年6月14日追記)
なお、2021年5月10日に発表された新中期経営計画「KBKプラスワン2025」の中で、22.3期から3年間は配当性向100%を維持し、積極的な株主還元に努めるとしております
22.3期以降も、意図的に配当性向100%を維持する形となるため、誤解のないように追記させていただきます。
(※読者様のご指摘による追記となります。ありがとうございました。)

配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)

EPSは、当期利益を、発行済み株式数で割ることで求めることができ、「1株当たり利益」とも言われます。
20.3期と21.3期は利益が落ち込んでいますので、回復が待たれます。
22.3期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、それ以前との単純比較はできません。

EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数

極東貿易の通期決算概要

2021年5月10日に、極東貿易の通期決算が公表されました。
連結経営成績は、次のとおりです。

スクロールできます
百万円対前期増減率
売上高57,405△4.9%
営業利益362△58.7%
経常利益734△11.6%
当期利益278△25.7%

21.3期は減収減益となりました。
本業の利益を表す営業利益ベースで、大きく落ち込んでいることがわかります
また、セグメント別の利益について次のとおりです。

セグメント利益(百万円)増減
基幹産業△1420.3期黒字
21.3期赤字
電子制御システム128△24.7%
産業素材135△58.2%
機械部品109△66.1%
359△59.1%

全てのセグメントで減益となっており、特に基幹産業は赤字に転落しています

基幹産業、電子制御システム、産業素材の減益は、自動車業界・航空機業界が大きく落ち込んでいることに起因しています。
機械部品のコアである「ねじ関連事業」は、建設機械・産業機械向けの利益が特に上半期に落ち込みました。

極東貿易(8093)を徹底分析! まとめ

ペン太

極東貿易のことがなんとなくわかったよ。

まみこ

自動車や航空機との関連が深くて、厳しい状況だね。総合的に見て、投資対象とするのは「ナシ」かな。

ここまで、極東貿易について事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 極東貿易は戦後すぐに設立された歴史のある企業で、産業機械やそれに関連するものなどの卸売業を営んでいる。
  • 極東貿易の配当利回りが高い理由は、22.3期に限って「特別配当」があるから。
  • 極東貿易は、自動車や航空機との関連が深く、売上・利益ともに大きく落ち込んでいる。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。

まみこでした。

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