
まみこが投資している伊藤忠商事ってどんな会社なの?

繊維や食料品など、幅広い事業を手掛ける総合商社だよ!著名投資家のウォーレンバフェットが投資している企業でもあるんだ。
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 伊藤忠商事がどんな企業か知りたい
- 伊藤忠商事の業績が知りたい
伊藤忠商事(8001)の事業概要

ここからは、伊藤忠商事が行っている事業について解説していきます。
伊藤忠商事の会社概要
伊藤忠商事は、1858年に麻布類の行商として創業された歴史のある企業です。
現在は世界62か国に100の拠点を持ち、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融など幅広い事業を手掛ける大手総合商社です。
繊維事業カンパニー
伊藤忠商事は、繊維事業からスタートしました。
繊維原料の販売のほか、アパレル事業も行っています。
ジーンズの「EDWIN(エドウイン)」や、スポーツメーカーの「DESCENTE(デサント)」などを傘下に置きます。
1972年から上海に拠点を置き、他の日本企業に先駆けて中国での足場固めを進めてきました。
中国やアジア地域で現地に合った生産体制を構築し、欧米やアジア地域への衣料品販売拡大を進めています。
機械事業カンパニー
都市環境・電力・橋梁・鉄道などのインフラ部門と、船舶・航空機・自動車などの機械関連部門、医療部門を手掛けています。
輸入車・中古車ディーラーの「YANASE(ヤナセ)」や、トラックやバスを販売する「ISUZU(いすゞ自動車)」、リース会社「東京センチュリー」などを傘下に置いています。
医療分野では、放射線治療装置など、特に大型医療機器を取り扱っています。
金属事業カンパニー
世界各地で鉄鉱石・石炭・ウラン・ベースメタル・レアメタルの鉱山開発を行う金属資源分野のほか、鉄鋼製品分野にも取り組んでいます。
丸紅と伊藤忠商事の鉄鋼製品分野を統合して設立された鉄鋼専門商社である、「伊藤忠丸紅鉄鋼」などを傘下に置きます。
エネルギー・化学品カンパニー
原油・石油などのエネルギー部門、化学品部門、太陽光発電やバイオマス発電などの電力・環境ソリューション部門があります。
エネルギー商社である「伊藤忠エネクス」や、合成樹脂製品を取り扱う「タキロンシーアイ」などを傘下に置きます。
食料事業カンパニー

コンビニエンスストア大手の「ファミリーマート」、食品・酒類卸売商社の「伊藤忠食品」、清涼飲料を製造する「ジャパンフーズ」などを傘下に置きます。
グループ内企業で、食料資源の開発から原料供給、製造加工、中間流通、リーテイルまでを行うことで付加価値を高めています。

ファミリーマートは、伊藤忠商事の子会社なの?

2018年8月に、ファミリーマートの株式の過半数を取得して、ファミリーマートは伊藤忠商事の連結子会社になったんだ。
2020年8月に、伊藤忠商事はファミリーマートの株式買付を更に進めました。
2020年11月に、ファミリーマートは伊藤忠商事の完全子会社となり、上場廃止となりました。
住生活カンパニー
紙パルプ・天然ゴム・タイヤなどの生活資材、建設資材、物流部門、不動産事業などを行っています。
紙パルプの「伊藤忠紙パルプ」、物流の「伊藤忠ロジスティクス」、不動産開発の「伊藤忠都市開発」、不動産販売の「伊藤忠ハウジング」のほか、CMでおなじみの「センチュリー21・ジャパン」などを傘下に置いています。
不動産運用や、海外不動産事業にも取り組んでいます。
情報・金融カンパニー
情報・通信分野と、金融・保険分野があります。
情報・通信分野では、ITソリューション事業の「伊藤忠テクノソリューションズ」や、モバイル通信サービスの販売代理店である「コネクシオ」を傘下に置くほか、宇宙開発事業にも出資をしています。
金融・保険分野では、国内では「ポケットカード㈱(Tカードクレジットなど)」や、「㈱オリエントコーポレーション(オリコカードなど)」への資本参加を行っているほか、海外でも無担保ローン事業を展開しています。
また、「ほけんの窓口グループ」や、「伊藤忠オリコ保険サービス」などを傘下に置き、保険事業にも取り組んでいます。
第8カンパニー
既存の7カンパニーと協働し、異業種融合・カンパニー横断を行うことで、新たなビジネス創出を模索しています。
ファミリーマートを活用することで、消費者ニーズを探るという試みを行っています。

手広くいろんな事業をやっていてすごいね!

総合商社は、「カップラーメンからロケットまで」という言葉があるくらい、さまざまな商品を扱う「何でも屋」だよ!
伊藤忠商事(8001)の株価分析!

ここからは、さまざまな指標から伊藤忠商事の株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
伊藤忠商事の株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 2,862円 |
年間配当 | 88円 |
配当利回り | 3.07% |
発行株式数 | 1,584,889千株 |
時価総額 | 4,535,953百万円 |
予想当期利益 | 423,857百万円 |
予想PER | 10.67倍 |
PBR | 1.42倍 |
伊藤忠商事は東証33業種では、卸売業に分類されています。
2020年11月の業種別平均では、卸売業はPERが11.7倍、PBRが0.9倍となっており、他業種に比べて割安になりやすい傾向にあります。
伊藤忠商事の場合、PBRが少し割高になっていますね。
年初来の株価変動は次のとおりです。

コロナショックによる暴落から緩やかに回復していたところ、ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイが、伊藤忠商事など5大商社株の買い付けを行っていることが2020年8月に公表されて、株価が急騰しました。
2020年12月3日に年初来最高値を更新し、2873.5円となりました。
株主優待
伊藤忠商事に、株主優待はありません。
株主還元方針
伊藤忠商事は、2018年10月1日に中長期的な株主還元方針を公表しています。
公表内容は次のとおりです。
1.配当性向の段階的な引き上げ
将来的に配当性向を30%目途とすべく、段階的な引き上げを実施します。
2.自己株式取得の更なる積極活用
引用:伊藤忠商事 株主還元方針(https://www.itochu.co.jp/ja/ir/shareholder/dividend/index.html)
1億株程度を目途として、キャッシュフローの状況等に鑑み継続的に実施します。尚、今後の取得余力を創出するため、2018年10月19日に自己株式消却(0.78億株)を実施しました。
順を追って解説していきます。
1.配当性向の段階的な引き上げ
配当性向とは、当期純利益のうちどれだけを配当金として株主に還元するかをパーセンテージで表したものです。
ちなみに、優待券は配当性向には含まれません。
配当性向が高すぎる企業は今後の経営に不安が残りますし、安定した経営をしているのに配当性向が低い企業は投資家から避けられてしまいます。
一般的に配当性向は30%前後が目安とされており、伊藤忠商事も配当性向30%を目途に段階的な引き上げを行っています。
伊藤忠商事の配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
08年度 | 18.5円 | 17.7% |
09年度 | 15円 | 18.4% |
10年度 | 18円 | 17.7% |
11年度 | 44円 | 23.1% |
12年度 | 40円 | 22.6% |
13年度 | 46円 | 23.4% |
14年度 | 46円 | 24.3% |
15年度 | 50円 | 32.9% |
16年度 | 55円 | 24.6% |
17年度 | 70円 | 27.1% |
18年度 | 83円 | 25.6% |
19年度 | 85円 | 25.3% |
20年度(予想) | 88円 | 32.8% |
2015年度から連続増配を継続中です。
2021年3月期の決算では、配当金予想が88円、予想配当性向32.8%となっています。
配当金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
2.自己株式取得の更なる積極活用

自己株式取得ってどういうこと?

市場にある自社の株を取得することで、市場に流通している株を減らすことだよ!「自社株買い」とも言うんだ。
自社株買いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
売上高・経常利益の推移
伊藤忠商事の売上高と経常利益の推移は次のようになっています。

2018年3月期から2019年3月期にかけて売上高が大きく伸びていますが、他企業を連結子会社化したことが原因です。
簡単に説明すると、親会社(伊藤忠商事)の売上高に、一部子会社の売上高が加わったということです。
経常利益を見ると、ここ数年は好調に推移していることがわかります。
2020年3月期には、過去最高益である701,430百万円を記録しました。
コロナショックなどにより、2021年3月期は減収減益の見通しです。
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
伊藤忠商事のキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。

本業活動である営業CFが常にプラスとなっているのは、好ましい状況です。
2016年3月期には投資CFが多く、フリーCFがマイナスになっていますが、それ以外の年のフリーCFはプラスになっています。
現金および現金同等物がほぼ一定に保てているので、資金調達において問題はないということがわかります。
なお、それぞれのキャッシュ・フローの意味を簡単に説明すると、次のようになります。
- 営業活動によるキャッシュ・フロー(営業CF)
-
本業における資金の動き
- 税引前当期純利益
- 減価償却費 など
- 投資活動によるキャッシュ・フロー(投資CF)
-
設備投資など、将来に向けたキャッシュ・フロー
- 定期預金の増減
- 固定資産の取得・売却
- 有価証券の取得・売却 など
- 財務活動によるキャッシュ・フロー(財務CF)
-
資金調達活動によるキャッシュ・フロー
- 短期借入による増減
- 長期借入による収入、借入金返済による支出
- 株主への配当金の支払い など
- 現金及び現金同等物
-
- 現金(紙幣・硬貨)
- 普通預金・当座預金
- 預入期間が3か月以内の定期預金 など
- フリーキャッシュ・フロー(フリーCF)
-
自由に使えるお金という意味。
「営業CF」と「投資CF」を足すことで求められる。
伊藤忠商事の第2四半期決算内容
2020年11月4日に、伊藤忠商事の第2四半期決算が公表されました。
連結経常利益の、第2四半期累計(2020年4月1日から2020年9月30日)は、2,905億円でした。
これは、前年同期比27.1%減となっています。
第1四半期(2020年4月1日から2020年6月30日)の連結経常利益は1,388億円であったのに対し、第2単四半期(2020年7月1日から2020年9月30日)の連結経常利益は1,517億円でした。
伊藤忠商事もコロナショックの影響を大きく受けましたが、少しずつ経常利益が回復しつつあります。
手広い分野で事業を行っていることによって、底堅く収益を積み上げていることが大きいと思います。
伊藤忠商事(8001)を徹底分析! まとめ
ここまで、伊藤忠商事について事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 伊藤忠商事は国内外問わず、7分野+αで幅広く事業を行っている。
- 伊藤忠商事の株価は、同業種の株と比べて少し割高である。
- 伊藤忠商事は2013年度から連続して増配しており、今期も増配が見込まれる。配当性向は30%を目途にしている。
- 伊藤忠商事の経常利益は好調に推移しており、キャッシュフローの動きも問題なし。
21.3期の第2四半期決算が、2021年2月4日に発表されました。
決算内容のほか、主要トピックについても解説しています。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

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