
この前紹介したENEOSホールディングスは、最近どうなの?



5月12日に、通期決算が発表されたよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- ENEOSホールディングスがどんな銘柄か知りたい
- ENEOSホールディングスの最新の業績を知りたい
この記事では、2021年5月12日に発表されたENEOSホールディングス(以下、「ENEOS」)の2021年3月期通期決算の内容についてご紹介します。
過去の業績や財務指標については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
ENEOS(5020)の事業概要


ここからは、ENEOSが行っている事業について解説していきます。
ENEOSの会社概要
ENEOSホールディングス株式会社(エネオスホールディングス、英称:ENEOS Holdings, Inc.)は、2010年4月1日に設立されたENEOSグループ(当時はJXグループ)の持株会社。
ウィキペディア(Wikipedia)から引用
持株会社とは、他社を支配することを目的に、株式を多数保有することを事業としている会社です。
ホールディングカンパニーとも呼ばれます。
2020年6月に、JXTGホールディングスからENEOSホールディングスへ商号変更されました。
エネルギー事業
主要な事業会社は、傘下のENEOS株式会社です。
エネルギーの安定供給と有効活用を目指します。
石油製品(ガソリンなど)、ガス、石炭、石油化学製品などを取り扱うほか、電気・水素の供給も行います。
石油・天然ガス開発事業
主要な事業会社は、傘下のJX石油開発株式会社です。
石油や天然ガスなどの鉱物資源の開発を進めています。
金属事業
主要な事業会社は、傘下のJX金属株式会社です。
非鉄金属資源の開発・採掘を行うほか、非鉄金属製品(金銀銅など)の製造・販売などの事業を行っています。
ENEOS(8591)が21.3期通期決算を発表!


2021年5月13日に、ENEOSの通期決算が発表されましたので、その内容を解説していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
ENEOSの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 463.1円(+18円) |
年間配当 | 22.00円 |
配当利回り | 4.75%(△0.19%) |
発行株式数 | 3,230,282,649株 |
時価総額 | 1,495,943百万円 |
21.3期確定利益 | 113,998百万円 |
22.3期予想利益 | 140,000百万円 |
21.3期純資産 | 2,752,568百万円 |
予想PER | 10.68倍(△5.21倍) |
PBR | 0.54倍(△0.08倍) |
株価は、前回記事をアップした2021年2月12日終値から18円(+4.04%)値上がりしました。
21.3期の配当金は前期比維持の22円で決定、22.3期も据え置かれる見込みが発表されています。
配当利回りは依然として高く、4%台後半を維持しています。
2021年4月の「石油・石炭製品」業種別平均では、PERは赤字、PBRは0.6倍となっています。
業種の当期純利益合計が赤字のため、PERの業種別平均は求めることができません。
日本のガソリンスタンド大手3社の予想PER、PBRを比較してみます。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
ENEOS(5020) | 10.68倍 | 0.54倍 |
出光興産(5019) | 9.42倍 | 0.69倍 |
コスモエネルギー(5021) | 4.00倍 | 0.87倍 |
競合他社や業種別平均と比較した結果、次のように判断できます。
ENEOSの現在の株価は、PERで見ればやや割高、PBRで見れば割安という水準にあります。
PER・PBRの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
過去3ヶ月の株価変動は次のとおりです。


過去3ヶ月の最安値は2021年2月19日の452.1円、最高値は同3月22日の517.1円でした。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 5月10日、米国の金融緩和が継続する見方が強まったことから、米国株価が上昇し、それに伴って日経平均株価も続伸。
- 5月11日、JSR株式会社のエラストマー事業を買収することを発表
- 5月12日、21.3期通期決算を発表。市場予想を若干下回る内容。
- 同日、22.3期の業績予想について、20%以上増収増益する見込みを発表。
- 同日、21.3期の配当について「維持」の22円で決定。22.3期も据え置かれる見込み。
株主優待


ENEOSには、株主優待がありません。
通期決算の概要
2021年5月12日に、ENEOSの2021年3月期通期決算が公表されました。
税引前当期純利益は、約2,308億円でした。
20.3期の赤字転落から、1期で黒字回復したことになります。
セグメント別の利益および増減は次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 増減 |
---|---|---|
エネルギー | 1,211億 | 赤字⇒黒字 |
石油・天然ガス開発 | 28億 | 赤字⇒黒字 |
金属 | 781億 | +75.0% |
計 | 2,020億 | 赤字⇒黒字 |
20.3期は金属セグメント以外は赤字でしたが、21.3期はすべてのセグメントで黒字を達成しました。
メインのエネルギーセグメントでは、ガソリンや軽油などの需要が大きく減少したものの、石油製品マージンが堅調に推移したことや、経費削減などの努力により、しっかり営業利益を確保することができました。
金属事業では、カセロネス銅鉱山における生産量減少があったものの、銅価格の上昇やと機能材料・薄膜材料の増販等もあって、大きく増益することに成功しました。
JSR株式会社のエラストマー事業を買収


5月11日、ENEOSはJSR株式会社のエラストマー事業を買収することを発表しました。
JSR株式会社は今後、新会社を設立してエラストマー事業を承継し、ENEOSは2022年4月を目途に、その新会社を完全子会社します。
JSRのエラストマー事業は、低燃費で高性能なタイヤの「接地面」の原材料となる、SSBRを主力製品とする事業で、モビリティ産業に欠かせないものです。
世界的なモビリティ需要の拡大などから、今後も確実に成長する分野と捉え、この度の買収に踏み切りました。
英語で、「移動性」や「流動性」などを指します。
移動手段に関するモノ・コト全般を指します。
AIやIT技術の発達によって、自動車や公共交通機関などは移動しやすく、便利になっていきます。
例えば「自動車業界」というよりも、一括りにして「モビリティ業界」や「モビリティ分野」という呼び方が一般的になってきています。
Woven Cityにおける水素エネルギー利活用に向けた検討を開始


トヨタが静岡県裾野市で建設を進めている、Woven Cityについて、水素エネルギーの利活用を検討するため、トヨタとENEOSが基本合意しました。
ENEOSは、既に4大都市圏で商用水素ステーションを45か所展開しており、水素事業のリーディングカンパニーとも言える存在です。
トヨタは、乗用車に限らず、鉄道や船など様々な用途での水素や燃料電池技術の開発や普及に取り組んでいます。
このように、水素に関して知見のある両社がタッグを組み、日本や世界の多くの国が宣言する、脱炭素社会実現への貢献を目指します。
22.3期は増益見込み


ENEOSは、22.3期の業績予想について次のとおり発表しています。
億円 | 前年比 | |
---|---|---|
売上高 | 95,000 | +24.1% |
営業利益 | 2,600 | +2.3% |
税引前利益 | 2,400 | +3.9% |
当期利益 | 1,400 | +22.8% |
増収増益となる業績予想を発表していますが、配当金は維持の22円となる見込みです。
なお、業績予想の根拠については決算短信上では記載されていないようです。
売上高、キャッシュフロー、配当推移など
ENEOSの過去の売上高やキャッシュフロー、配当推移などは、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
ENEOS(5020)が21.3期通期決算を発表! まとめ



最近のENEOSのことがなんとなくわかったよ。



どのセグメントでも黒字回復に成功したね!今後の事業拡大にも期待したいところだね。
ここまで、ENEOSの21.3期通期決算内容について解説してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- ENEOSは、1年での黒字回復を達成!22.3期も増収増益見込み。
- ENEOSは、トヨタが進めるWoven City事業において、共に水素の利活用に向けた検討を進めることを発表
- ENEOSは、モビリティ分野への積極的な投資で事業拡大を目論む。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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その5つの理由について解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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