
この前紹介したサムティは、最近どうなの?

1月6日に、通期決算が発表されたよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- サムティがどんな銘柄か知りたい
- サムティの最新の業績を知りたい
この記事では、2021年1月6日に発表されたサムティの通期決算の内容や、同27日に発表された「中期経営計画の見直し」についてご紹介します。
過去の業績や財務指標については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
サムティ(3244)の事業概要

ここからは、サムティが行っている事業について解説していきます。
サムティの会社概要
サムティ株式会社は、大阪市淀川区に本社を置く不動産会社である。収益不動産等の企画開発・不動産投資ファンドの運用・管理・投資を行う「不動産事業」、マンション・オフィスビル等の賃貸・管理を行う「不動産賃貸事業」、「その他の事業(おもにホテル運営等を行う)」を行っている。
ウィキペディア(Wikipedia)から引用
サムティグループとして、不動産系の子会社を複数設置しています。
事業用地の仕入から、マンションの企画・開発、賃貸募集、物件管理、販売、保有までをグループ内で完結できる「総合不動産会社」です。
不動産事業
不動産ファンドや個人投資家向けに、マンションやホテルの開発・販売などを行っています。
マンションでは、競合の少ない「賃貸マンション」に力を入れているところがポイントです。
不動産ファンド向け賃貸マンションとして、「S-RESIDENCE」シリーズという商品があります。
住宅の中でも、特に大きな邸宅や高級住宅を指す言葉です。
不動産用語として、高級分譲マンションを指すことが多いです。
不動産賃貸事業
マンション、オフィス、商業施設などの賃貸・管理事業を行っています。
賃貸ニーズの把握、施策立案、リーシング(賃貸募集)を社内で完結することで、高い稼働率を実現しています。
その他の事業
保有・運営するホテルからの客室収入・運営報酬や、分譲マンションの管理運営報酬などを得ています。
センターホテル東京、エスペリアイン日本橋箱崎、エスペリアイン大阪本町のホテル運営を行っています。
サムティ(3244)が通期決算を発表!

2021年1月6日に、サムティの通期決算が発表されましたので、その内容を解説していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
サムティの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 1,651円(△118円) |
年間配当 | 82.00円 |
配当利回り | 4.96%(+0.33%) |
発行株式数 | 41,020,140株 |
時価総額 | 67,724百万円 |
当期利益 | 10,615百万円(+515百万円) |
PER | 5.87倍 |
PBR | 0.86倍 |
株価は、前回記事をアップした2020年12月28日終値よりも、118円値下がりしています。
年間配当に修正はないため、配当利回りは5%に迫る高い水準になっています。
サムティはホテル業を行っているため、GoToトラベルの停止や緊急事態宣言発出などが株価の下落に影響しているのでしょう。
ただし、ホテル業の収益比率はそれほど高くはなく、私は業績に大きな影響はないものと考えています。
サムティは東証33業種では、「不動産業」に分類されています。
2020年12月の業種別平均では、不動産業はPERが13.4倍、PBRが1.1倍となっています。
他社の不動産業の予想PER、PBRと比較してみます。
銘柄 | PER | PBR |
---|---|---|
サムティ(3244) | 5.87倍 | 0.86倍 |
三井不動産(8801) | 16.43倍 | 0.82倍 |
住友不動産販売(8830) | 10.55倍 | 1.04倍 |
東急不動産HD(3289) | 24.32倍 | 0.71倍 |
競合他社や業種別平均と比較した結果、サムティの現在の株価は、PERで見るとかなり割安、PBRで見るとおおよそ妥当という結果になりました。
前回記事をアップした時に、PBRが1倍を切ったところを目安に、サムティを買いに入ると宣言していました。
実際に少しずつ買いを進めており、まもなく単元株(100株)に達しようとしています。
過去3ヶ月の株価変動は次のとおりです。

年が明ける直前頃から株価が下降し始め、1月18日には1,600円を切りそうになるところまで下降しました。
11月末付近の暴落は、株主優待や配当金の権利確定日があったことから、その前後で騰落が発生したものです。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 1月6日、20.11期通期決算を発表。21.11期の業績予想をレンジ形式で発表、減収減益見込み。
- 1月7日、翌日から1都3県に緊急事態宣言を発出することを発表。
- 1月13日、翌日から緊急事態宣言の区域を追加することを発表。
- 1月22日、前年11月に権利確定の配当金について、最終的な金額を正式発表。事前の見込みどおり、3円の増配。
- 1月27日、「中期経営計画の策定(見直し)に関するお知らせ」を発表
株主優待

サムティには、株主優待があります!
所有株式数 | 優待券(※)の枚数 |
---|---|
200株以上 300株未満 | 1枚 |
300株以上 600株未満 | 2枚 |
600株以上 1,000株未満 | 3枚 |
1,000株以上 2,000株未満 | 4枚 |
2,000株以上 5,000株未満 | 6枚 |
5,000株以上 10,000株未満 | 8枚 |
10,000株以上 | 10枚 |
対象の12ホテルは次のとおりです。
ホテル名 | 所在地 | 優待券必要枚数 |
---|---|---|
センターホテル東京 | 東京都中央区 | 1枚 |
エスペリアイン日本橋箱崎 | 東京都中央区 | 1枚 |
エスペリアイン大阪本町 | 大阪市西区 | 1枚 |
エスペリアホテル博多 | 福岡市博多区 | 1枚 |
エスペリアホテル長崎 | 長崎県長崎市 | 1枚 |
エスぺリアホテル京都 | 京都市下京区 | 1枚 |
ネストホテル広島八丁堀 | 広島市中区 | 1枚 |
ネストホテル広島駅前 | 広島市南区 | 1枚 |
ホテルサンシャイン宇都宮 | 栃木県宇都宮市 | 1枚 |
イビススタイルズ名古屋 | 名古屋市中村区 | 1枚 |
天橋立ホテル(オーベルジュ) | 京都府宮津市 | 1枚 |
メルキュール京都ステーション | 京都市下京区 | 2枚 |
天橋立ホテル | 京都府宮津市 | 3枚 |
通期決算の概要
2021年1月6日に、サムティの2020年11月期の通期決算が公表されました。
年間を通じての連結経常利益は、約152億円でした。
これは、前年比15.6%増となっています。
セグメント利益は約222億円で、前年比12.0%増です。
セグメント別の利益および増減は次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 増減 |
---|---|---|
不動産事業 | 約189億 | +9.26% |
不動産賃貸業 | 約38億 | +53.5% |
その他の事業 | △4.8億 | 今期赤字、前期黒字 |
第3四半期時点では、不動産事業も前年同期比48%減で、数字的には厳しい状況でした。
ただし、第4四半期中に445億円もの賃貸マンション・オフィスビルの売却を見込んでおり、仮にこれをすべて加えると、約549億円のセグメント利益となり、前年比2.8倍となる見込みでした。
しかしながら蓋を開けてみると、前年比9.26%増にとどまりました。
この状況下で前年比よりも増益となる時点で素晴らしいのですが、「予想を下回る黒字」ということで、株価暴落の一因となったのでしょう。
黒字確保の要因は、方向転換
2020年11月期は、ホテルREIT設立を前提とした販売計画を期初に策定していました。
しかし外部環境を鑑みて、REIT設立およびホテルの売却時期を見直しました。
具体的には、6物件のホテルを売却予定だったところを、2物件にとどめました。
一方、レジデンスを予定より16物件多く、オフィスビルを予定より1物件多く売却しました。
結果的に、当初計画以上の収益を獲得することに成功しました。
6期連続増収、8期連続増益を達成
- 売上高1,012億円(前年比+18.2%)
- 営業利益173億円(前年比+12.7%)
- 経常利益152億円(前年比+15.6%)
- 当期純利益106億円(前年比+9.0%)
特に賃貸マンション事業が堅調に推移し、6期連続増収、8期連続増益を達成することができました。
売上高1,000億円超えはサムティとして初、純利益106億円も過去最高益です。
売上高、キャッシュフロー、配当推移など
サムティの過去の売上高やキャッシュフロー、配当推移などは、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
中期経営計画の見直しを発表(1/27)
今般の情勢により、不動産マーケットを取り巻く環境が大きく変化しています。
アセットごとに、マーケットへの影響を次のように分析しています。
- レジデンス
-
景気変動の影響を最も受けにくい。不動産価格・賃料ともに上昇トレンド
- ホテル
-
苦戦したが、今後の観光政策も期待でき、収束後には需要が高まると予想
- オフィス
-
地方都市を中心に、在宅勤務が難しい企業も多く、需要は底堅い。
これらを踏まえて、新たな強靭化計画として次の4つのポイントを掲げています。
- 「開発して保有する」ビジネスへの転換
- ホテルREIT設立に向けた取り組みの継続
- 地方大都市圏における戦略的投資の継続
- 海外事業での収益基盤の構築
それぞれ簡単に解説します。
① 「開発して保有する」ビジネスへの転換
従来は、投資収益の早期回収やキャッシュフローを充実させるため、完成物件については速やかに売却していました。
サムティは、不動産価格・賃料価格の上昇や、低金利の状態が今後も続くことを見込んでいます。
今後は、物件完成後約3年間、賃料価格によるインカムゲインを得てから売却するという方針に転換します。
② ホテルREIT設立に向けた取り組みの継続
既存ホテルの収益力強化に努めるとともに、ホテルREIT設立にも取り組みます。
REITとは、不動産投資信託のことです。
投資家から集めたお金で不動産に投資し、賃料収入や売却益の一部を配当金として分配するものです。
③ 地方大都市圏における戦略的投資の継続
これまで34都道府県への投資実績があります。
現在も三大都市圏のほか、北海道、岡山、広島、福岡、熊本、鹿児島などで賃貸マンションを開発中です。
これらについても、完成後一定期間保有して、賃貸収入を得ることとしています。
④ 海外事業での収益基盤の構築
国内事業でインカムゲイン増大を目論む分、キャピタルゲインは一時的に減少します。
海外事業ではキャピタルゲインを積極的に得ていくことで、国内事業のキャピタルゲイン減少を補完します。
日本のGDP成長率見通しはマイナス5.6%です。
対して東南アジアマーケットでは、中間所得者層や都市部の人口が急増しており、高い住宅需要を見込んでいます。
サムティは、特にベトナムの成長性に期待をしているようです。
今後は、経済停滞期を迎える国内でのマーケットに替わる、安定収益を獲得するため、海外事業への挑戦がカギになると見ています。
サムティ(3244)が通期決算を発表! まとめ

最近のサムティのことがなんとなくわかったよ。

柔軟に対応しながら、厳しい状況を乗り切りつつあるね!
ここまで、サムティの通期決算内容や中期経営計画の見直しについて解説してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- サムティは、賃貸マンション事業が堅調に推移し、6期連続増収、8期連続増益を達成
- サムティは、中期経営計画の見直しにより、販売用不動産からのインカムゲイン発生などを目論む
- サムティの来期は、キャピタルゲインの減少などによって、減収減益予想となっている
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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その5つの理由について解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

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