
中電工ってどんな銘柄なの?

中国地方5県を中心に、電気設備工事を行う会社だよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 中電工がどんな企業か知りたい
- 中電工の業績が知りたい
2021年1月29日に第3四半期決算が発表された、中電工を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から中電工に投資するかどうか判断することができます。
中電工(3751)の事業概要

ここからは、中電工が行っている事業について解説していきます。
中電工の会社概要
株式会社中電工(ちゅうでんこう、英: CHUDENKO CORPORATION[2])は、中国電力系の設備工事会社である。
Wikipedia(中電工)から引用
本社を広島市に置き、中国地方5県をメインに、全国に企業活動を展開しています。
電気工事、空調管工事、情報通信工事、配電線工事などを行っています。
陸上競技部が有名で、お正月恒例のニューイヤー駅伝に1995年から連続で出場しています。
報告セグメントは、「設備工事業」のみの単一セグメントです。
中電工(1941)の株価分析!

ここからは、さまざまな指標から中電工の株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
中電工の株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 2,260円 |
年間配当 | 104円 |
配当利回り | 4.60% |
発行株式数 | 58,138,117株 |
時価総額 | 131,392百万円 |
予想当期利益 | 8,000百万円 |
予想PER | 15.66倍 |
PBR | 0.59倍 |
現在の配当利回りは4.60%で、日本株の中ではなかなかの高配当銘柄です。
ただし、株価の暴落によって配当利回りが高くなっている場合など、いろいろな要因が考えられますので、しっかり分析していきましょう。
中電工は、「建設業」に該当します。
2021年2月の業種別平均は、PERは9.1倍、PBRは1.0倍となっています。
建設業の同業種他社とPER・PBRを比較します。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
中電工(1941) | 15.66倍 | 0.59倍 |
関電工(1942) | 9.58倍 | 0.72倍 |
きんでん(1944) | 12.72倍 | 0.79倍 |
東京エネシス(1945) | 12.22倍 | 0.49倍 |
四電工(1939) | 7.41倍 | 0.46倍 |
エーザイ(4523) | 55.13倍 | 3.21倍 |
いずれも、電力会社の関連企業で、電気設備工事などをメインに行う企業です。
業種別平均や、同業種他社と比較しました。
中電工の現在の株価は、PERでは割高、PBRではやや割安です。
PERは、今期の当期純利益予想で、株価が割安かどうかを表す、短期的視点による指標です。
PBRは、純資産残高を見た時に、株価が割安かどうかを表す、長期的視点による指標です。
PBRやPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。

過去1年では、2020年2月6日の2,605円が最高値で、2020年3月17日の1,899円が最安値となっています。
株価のボラティリティが大きく、安定していないことがわかります。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 7月31日、第1四半期決算を発表。
- 同日、通期業績予想を発表し、増収増益となる見込み。
- 8月31日、上限50万株の自社株買い(立会外取引)を実施することを発表。
- 9月1日、433,000株の自社株買いを終了したことを発表。
- 10月30日、第2四半期決算を発表。
- 1月29日、第3四半期決算を発表。
取引時間外の自社株買いを行いました。
8月31日に発表して、9月1日の午前8時45分に取引を終えたとのことです。
自社株買いを行うと、流通している株式数が減って株価が上昇することから、株主還元策の一つとされています。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
売上高、経常利益の推移
中電工の売上高と経常利益の推移は次のようになっています。

売上高は、長期的に見て綺麗な右肩上がりに伸びています。
一方、経常利益は下降気味です。
グラフにはありませんが、営業利益はおおよそ横ばいに推移しているので、営業外収益の減少か、営業外費用の増大が予想できます。
例えば19.3期は、前期に投資有価証券を売却して9億円の事業外収益があったものの、19.3期はその収益がなかったことから、「反動」による減益となっています。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移

営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
中電工の営業利益率は、16.3期には7%を超えていますが、それ以外では低水準で推移しています。
電気設備業界では、人手不足による労務単価の上昇や、材料・資材費の高騰などにより利益率が低くなっています。
人手不足を誘因するのは、若者が敬遠する原因となる「時間外労働」や「休日出勤」などです。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
中電工のキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。

12.3期を除いて、常に営業CFが黒字で推移しており、素晴らしいですね。
ただし、多くの年で、次のようなキャッシュフローとなっています。
- 営業CF 黒字
- 投資CF 黒字
- 財務CF 赤字
本業で生み出したお金に加えて、固定資産や有価証券などの売却によって得たお金で、負債の返済などを行っています。
負債の返済を行うことは良いことなのですが、新たな投資を行っていないので、企業活動が衰退していく可能性があります。
17.3期からは少しずつ投資CFの赤字が膨らんでいるので、今後営業利益が右肩上がりに改善していくかどうか注目です。
自己資本比率の推移

20.3期に自己資本比率が急降下しているように見えますが、81%から77%に下がっただけです。
中電工はもともとかなり高い自己資本比率を維持しているので、債務超過による倒産の心配は、当面ありません。
自己資本比率(%)=純資産(総資産-負債)÷総資産
ROE、ROAの推移

このグラフは、中電工のROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度、ROA平均は3%程度です。
14.3期以降、右肩下がりに推移しており、ROEはもともと平均以下、ROAは近年平均を下回りました。
EPS自体が右肩下がりなことと、その割に、純資産・総資産の残高がともに増加していることが要因です。
ROE(%)=当期純利益(円)÷純資産(円)
ROA(%)=当期純利益(円)÷総資産(円)
株主優待

中電工には、株主優待がありません。
配当金、配当性向
中電工の配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
11年3月 | 20円 | 96% |
12年3月 | 20円 | 赤字 |
13年3月 | 20円 | 70.57% |
14年3月 | 30円 | 8.7% |
15年3月 | 62円 | 17.99% |
16年3月 | 72円 | 43.72% |
17年3月 | 72円 | 48.46% |
18年3月 | 94円 | 59.66% |
19年3月 | 104円 | 90.26% |
20年3月 | 104円 | 120.75% |
21年3月(予想) | 104円 | 72.08% |
中電工は、連続増配企業ではありませんが、長年減配をしていません。
近年、配当性向がかなり高くなっているので、注意が必要です。
ただし、中電工は配当方針として、DOE(株主資本配当率)2.7%を目途にするとしています。
株主資本に対する、配当金額を2.7%を目途にするということですね。
株主資本は、おおよそ純資産(自己資本)と考えてもかまいません。
なお、20.3期のDOEは、2.73%でした。
通常の運転資金と、突発的なリスクを考慮して内部留保資金を調整するため、株主還元指標としてDOEを採用する企業が増えているようです。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)
DOE(%)=配当総額(円)÷株主資本(円)

中電工ののEPSは、近年右肩下がりに推移していました。
DOEを株主還元指標に採用したとしても、配当性向が100%を超えているということは、準備金などを食いつぶしていることに他なりません。
21.3期は大きく増益となる予想が発表されていますので、今後のEPS回復に期待したいところです。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
中電工の第3四半期決算内容
2021年2月3日に、中電工の第3四半期決算が公表されました。
第3四半期(2020年4月1日から2020年12月31日)は、約76億円の経常利益となりました。
これは、前年同期比で38.3%増となっています。
中電工は、「設備工事業」のみの単一セグメントとなっており、セグメント利益は、53億円でした。
売上高は、情報通信工事・配電線工事の増加や、前期に連結した昭和コーポレーションが加わったことなどにより、増収となっています。
営業利益は、原価管理の徹底や効率化施策による生産性向上などにより、増益となっています。
中電工(1941)を徹底分析! まとめ

中電工のことがなんとなくわかったよ。

売上は右肩上がりで、利益も回復傾向にあるから、高配当投資銘柄として選択肢の一つにはなりそうだね。でも、利益率の低さは懸念点だね。
ここまで、中電工について事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 中電工の売上高は右肩上がり!近年は事業投資により、当期利益も回復傾向。
- 中電工の利益率は軒並み低い。人手不足が要因の一つで、将来性に不安は残る。
- 中電工は配当利回り4%台の高配当銘柄!ただし、配当性向の高さは要注意。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。

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