
積水ハウスってどんな会社なの?



戸建住宅、賃貸住宅、分譲住宅、分譲マンションなどの事業を行っていて、海外にも事業展開しているよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 積水ハウスがどんな企業か知りたい
- 積水ハウスの業績が知りたい
この記事では、過去10年の決算内容をファンダメンタル分析していきます。
四半期ごとの決算や直近のトピックについて、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
積水ハウス(1928)の事業概要


ここからは、積水ハウスが行っている事業について解説していきます。
積水ハウスの会社概要
積水ハウス株式会社(せきすいハウス)は、大阪府大阪市北区に本社を置く日本の住宅メーカーである。
Wikipedia(積水ハウス)から引用
CMなどで、「セキスイハイム」というブランドをよく耳にしますよね。
セキスイハイムは、積水化学工業株式会社の商品名であって、積水ハウスとは無関係です。
積水ハウスは、積水化学工業株式会社から独立した企業です。
ESG経営
積水ハウスは、近年話題のESG経営のリーディングカンパニーを目指しています。
ESG経営とは、環境への配慮、社会性向上、ガバナンスの改革といった3つの観点から長期的な成長を目指すものです。
積水ハウスは、「RobecoSAM Sustainability Award 2020」の住宅建設部門で2年連続「Silver Class」に選定されました
請負型ビジネス
戸建住宅や賃貸住宅の建築を請け負う事業です。
賃貸に関しては、医療・介護施設、商業施設、ホテルなどの非住宅も請け負います。
ストック型ビジネス
所有者が建てた住宅のリフォームを請け負ったり、不動産の転貸借などをサポートする事業です。
開発型ビジネス
分譲住宅や分譲マンションといった、土地の取得を含めた「投資的なビジネス」を行います。
「請負型ビジネス」や「ストック型ビジネス」は費用負担が少ないため、それらで得た収益を元手に事業を行います。
オフィスビルや商業施設の開発といった、都市再開発事業にも取り組みます。
国際ビジネス
アメリカ、オーストラリア、イギリス、シンガポール、中国の5カ国で住宅事業を展開しています。
その他事業
造園会社と資本提携するなどして、独自の庭づくりの提案を行う「エクステリア事業」を行います。
積水ハウス(1928)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から積水ハウスの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
積水ハウスの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 2,100円 |
年間配当 | 82.00円 |
配当利回り | 3.90% |
発行株式数 | 684,683,466株 |
時価総額 | 1,437,835百万円 |
予想当期利益 | 117,475百万円 |
予想PER | 12.23倍 |
PBR | 1.12倍 |
株主優待があってかつ、配当利回り4%近い優良銘柄です。
積水ハウスは東証33業種では、「建設業」に分類されています。
2020年11月の業種別平均では、不動産業はPERが8.8倍、PBRが0.9倍となっています。
他社の建設業の予想PER、PBRと比較してみます。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
積水ハウス(1928) | 12.23倍 | 1.12倍 |
大和ハウス(1925) | 15.41倍 | 1.14倍 |
大林組(1802) | 6.79倍 | 0.74倍 |
鹿島建設(1812) | 8.52倍 | 0.85倍 |
積水ハウスや大和ハウスは、ハウスメーカーとして住宅系の請負がメイン事業となっています。
一方、大林組や鹿島建設は、元請け業者としてビルやマンション建設における施工全体を管理する、「ゼネコン」という業務形態にあります。
後者より前者の方が、PER・PBRともに高くなっていますが、まとめて「建設業」として業種別平均を計算しています。
つまり「建設業」の場合、業種別平均を見るよりは、業務形態の近い銘柄と比較しないと、PER・PBRが高いのか安いのか判断できないということですね。
積水ハウスは1月決算で、株主優待の権利落ち日が迫っているものの、3月決算の大和ハウスよりもPER・PBRともに安くなっています。
過去1年の株価変動は次のとおりです。


2020年の年初来高値は1月23日の2,475円です。
コロナショックを受けて急落し、3月17日に年初来安値1,551円を記録しました。
金利の低さから住宅需要は落ち込まず、株価は6月にかけて右肩上がりに回復しました。
株価はコロナショック前の水準には戻っていないものの、現在は2,000円台から2,100円台を推移しています。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 6月4日に、21.1期第1四半期決算を発表。第2四半期の普通配当金を維持し、記念配当5円となる予想。
- 9月10日に、第2四半期決算および配当予想の修正を発表。期末配当を4円減配する。記念配当を含めれば、合計は1円の増配。
- 10月22日に、これまで行ってきた自己株式取得を完了したことを発表。
- 12月7日に、第3四半期決算を発表。配当予想の変更はなし。
9月10日の減配予想の発表は、大きく株価を下げることとなりました。
コロナショックによる経営環境の変化を受け、成長投資、財務健全性の確保、自己株式取得を含む株主還元の水準を総合的に勘案した結果、と発表されています。
自己株式取得(自社株買い)については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
株主優待


積水ハウスには、株主優待があります!
権利確定日は、1月末です。
対象者 | 1,000株以上の株式を保有する株主 |
優待の内容 | 毎年10月下旬から11月上旬にかけて、5kgの「魚沼産コシヒカリ(新米)(※)」を贈呈 |
対象者が1,000株以上となっており、投資を始めたばかりの人にとってはハードルが高いですね。
優待をもらうには、200万円前後の資金が必要となります。
ただ生活必需品ともいえるお米を、優待としてもらえるのは非常にありがたいですね。
配当金、配当性向
配当性向とは、当期純利益のうちどれだけを配当金として株主に還元するかをパーセンテージで表したものです。
ちなみに、優待券は配当性向には含まれません。
配当性向が高すぎる企業は今後の経営に不安が残りますし、安定した経営をしているのに配当性向が低い企業は投資家から避けられてしまいます。
一般的に配当性向は30%前後が目安とされています。
積水ハウスの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
12年 | 28.0円 | 40.5% |
13年 | 43.0円 | 36.2% |
14年 | 50.0円 | 38.2% |
15年 | 54.0円 | 44.9% |
16年 | 64.0円 | 36.5% |
17年 | 77.0円 | 39.9% |
18年 | 79.0円 | 42.4% |
19年 | 81.0円 | 39.4% |
20年(予想) | 82.0円 | 49.0% |
積水ハウスは現在、8期連続増配となっています。
記念配当を含めれば今期も1円増配し、9期連続増配を達成することとなります。
積水ハウスは中期的な平均配当性向として、40%以上を目指しています。
売上高・経常利益の推移
積水ハウスの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


売上高、経常利益ともに右肩上がりに伸びています。
21.1期は、営業活動の自粛を余儀なくされ、受注が減少しました。
また前期に、消費税増税による駆け込み需要があったことにより、今期はその反動もありました。
売上高は前期比微増であるものの、経常利益は減益となる見込みです。
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
積水ハウスのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


本業のお金の動きを表す営業CFが常にプラスで推移しており、現金・現金等価物が右肩上がりに増えています。
20.1期は、短期借入金残高を減らしたほか、自社株買いを積極的に行ったことで財務CFがマイナスになっています。
それにもかかわらず、本業が好調で、現金・現金等価物を大きく増やすことに成功しました。
それぞれのキャッシュ・フローの意味を簡単に説明すると、次のようになります。
- 営業活動によるキャッシュ・フロー(営業CF)
-
本業における資金の動き
- 税引前当期純利益
- 減価償却費 など
- 投資活動によるキャッシュ・フロー(投資CF)
-
設備投資など、将来に向けたキャッシュ・フロー
- 定期預金の増減
- 固定資産の取得・売却
- 有価証券の取得・売却 など
- 財務活動によるキャッシュ・フロー(財務CF)
-
資金調達活動によるキャッシュ・フロー
- 短期借入による増減
- 長期借入による収入、借入金返済による支出
- 株主への配当金の支払い など
- 現金及び現金同等物
-
- 現金(紙幣・硬貨)
- 普通預金・当座預金
- 預入期間が3か月以内の定期預金 など
- フリーキャッシュ・フロー(フリーCF)
-
自由に使えるお金という意味。
「営業CF」と「投資CF」を足すことで求められる。
積水ハウスの第3四半期決算内容
2020年12月7日に、積水ハウスの第3四半期決算が公表されました。
連結経常利益の、第3四半期累計(2020年8月1日から2020年10月31日)は、約1,316億円でした。
これは、前年同期比18.2%減となっています。
第3四半期累計のセグメント利益は約1,693億円で、前年同期比9.3%減です。
セグメント別の増減は次のとおりです。
セグメント | 増減 |
---|---|
戸建住宅事業 | △32.8% |
賃貸住宅業 | △4.7% |
建築・土木事業 | 前期赤字、今期黒字 |
リフォーム事業 | △26.7% |
不動産フィー事業 | 6.0% |
分譲住宅事業 | △42.3% |
マンション事業 | 2.8% |
都市再開発事業 | △19.1% |
国際事業 | △25.7% |
その他 | 前期、今期ともに赤字 |
戸建住宅事業は、販促イベント等の自粛により、受注が減少しました。
営業活動の制限が緩和された後は、月次受注額が前年同月比増が継続するなど、回復傾向が見られています。
また、分譲住宅事業が、前期比で大きな減となっています。
これは、前期に大型分譲地の商業用地売上があったことから、その反動によるものです。
積水ハウス(1928)を徹底分析! まとめ
ここまで、積水ハウスについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 積水ハウスは今般の情勢による受注減などから、減益となる見込み。
- 積水ハウスは株主優待があり、9期連続増配見込み。
- 積水ハウスのキャッシュフローは、何の問題もなし。営業CFは常にプラスで推移。
この記事では、過去10年の決算内容をファンダメンタル分析してきました。
四半期ごとの決算や直近のトピックについて、以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。
まみこでした。


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