
大和ハウス工業ってどんな銘柄なの?



日本を代表する大手ハウスメーカーの一つだよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 大和ハウスがどんな企業か知りたい
- 大和ハウスの業績が知りたい
2021年2月9日に第3四半期決算が発表された、大和ハウス工業(以下、「大和ハウス」)を分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から大和ハウスに投資するかどうか判断することができます。
大和ハウス(1925)の事業概要


ここからは、大和ハウスが行っている事業について解説していきます。
大和ハウスの会社概要
住宅事業などを行う大和ハウス工業を筆頭に、大和ハウスグループを構築し、幅広く事業展開しています。
大和ハウスの報告セグメントは、次のとおりです。
- 戸建住宅
- 賃貸住宅
- マンション
- 住宅ストック
- 商業施設
- 事業施設
- その他
順に解説していきます。
① 戸建住宅
戸建住宅商品、木造住宅商品、3・4・5階建戸建住宅商品など多彩な商品をラインナップしています。
快適に在宅勤務ができる仕組みの提案も開始しています。
② 賃貸住宅
都市部などに向けた3階建て商品「グラサ」などを発売しています。
まだオリジナル宅配ボックスの販売や設置提案も開始しています。
③ マンション
マンション各住戸への太陽光発電エネルギーを提供するなど、先進的な取り組みを行っています。
④ 住宅ストック
大和グループで施工した戸建て・賃貸住宅を所有するオーナーに対し、点検などを実施し、リフォームの提案を行っています。
⑤ 商業施設
適切な出店計画の提案や、エリアの特性を活かした企画提案などを実施しています。
沖縄県初となる水族館併設の大型商業施設「iias沖縄豊崎」の施設開発にも注力しました。
⑥ 事業施設
老朽化した施設、耐震基準を満たしていない施設などの建替・移転の提案を行ったり、高齢者住宅などの経営課題を解決するソリューション提案などを行っています。
⑦ その他
ホームセンター事業、フィットネスクラブ事業などを展開しています。
大和ハウス(1925)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から大和ハウスの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
大和ハウスの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 3,337円 |
年間配当 | 110円 |
配当利回り | 3.29% |
発行株式数 | 666,238,205株 |
時価総額 | 2,223,236百万円 |
予想当期利益 | 142,608百万円 |
予想PER | 16.78倍 |
PBR | 1.24倍 |
現在の配当利回りは3.29%で、今一歩、高配当銘柄ではありません。
(私としては、配当利回り3.5%以上を高配当銘柄としています)
大和ハウスは、「建設業」に該当します。
2021年1月の業種別平均は、PERは8.9倍、PBRは1.0倍となっています。
建設業の大手他社とPER・PBRを比較します。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
大和ハウス(1925) | 16.78倍 | 1.24倍 |
積水ハウス(1928) | 12.78倍 | 1.14倍 |
大林組(1802) | 7.19倍 | 0.79倍 |
鹿島建設(1812) | 9.22倍 | 0.92倍 |
大和ハウスや積水ハウスは、ハウスメーカーとして住宅系の請負がメイン事業となっています。
一方、大林組や鹿島建設は、元請け業者としてビルやマンション建設における施工全体を管理する、「ゼネコン」という業務形態にあります。
業務形態の近い積水ハウスと比較すると、PER・PBRともに少し割高であることがわかります。
PBRとPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


過去1年では、2020年2月6日の3,647円が最高値で、2020年3月17日の2,230.5円が最安値となっています。
現在は、3月の暴落前の株価に近い水準まで回復してきました。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 11月11日、第2四半期決算、通期業績予想の上方修正を発表。
- 同日、中間配当が確定。通期で25円の減配予想を、5円の減配予想に上方修正。
- 2月9日、第3四半期決算を発表。
なお、同じく建設業大手の積水ハウスについて、過去に分析しています。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
売上高、経常利益の推移
大和ハウスの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


21.3期は減収減益となる見込みですが、それまでは売上高・経常利益ともに綺麗な右肩上がりでした。
21.3期の経常利益は、対会社予想進捗率を第3四半期時点で達成しています。
来期以降の増収増益に期待したいですね。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移


営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
近年の大和ハウスの営業利益率は8%前後を推移しており、平均より少し高い水準です。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
大和ハウスのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


常に営業CFが黒字で推移しており、素晴らしいですね。
投資CFは常に赤字ですが、財務CFは黒字の年と赤字の年があります。
財務CFが黒字の場合は、営業で増えたお金に借入金も加えて、事業投資を行っています。
財務CFが赤字の場合は、営業CFで増えたお金で、事業投資のほか借入金の返済を行っており、最も理想的なキャッシュフローです。
自己資本比率の推移


一般的に自己資本比率は、最低でも40%を超えていないと倒産リスクが高まります。
大和ハウスの自己資本比率は、35%から40%弱を推移しています。
もう少し高い方が安心できますが、自己資本比率を一定に保っており、企業としての方針が伺えます。
また、後ほどご紹介するROEの高さを見れば、多少の自己資本比率の低さは気にならないかもしれません。
自己資本比率(%)=純資産(総資産-負債)÷総資産
ROE、ROAの推移


このグラフは、トヨタ自動車のROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度、ROA平均は3%程度です。
大和ハウスの近年の利益率は、ROE・ROAともに平均の倍近い水準にあります。
少ない自己資本や総資本で、効率の良い経営を継続していることを表しています。
ちなみに米国では、自己資本比率よりもROEを重視する傾向にあります。
こういった数値を見ると、自己資本比率が多少40%を下回っていることは気にならなくなりますね。
大和ハウスは、「資本政策の基本的方針」の中で、ROE13%以上を目標としています。
ROE(%)=当期純利益(円)÷純資産(円)
ROA(%)=当期純利益(円)÷総資産(円)
株主優待


大和ハウスには、株主優待があります!
保有期間は関係なく、毎年3月末時点で保有している株式数に応じて、「共通ご利用券」が贈呈されます。
これは、大和ハウスグループが運営するホテル、ゴルフ場、ホームセンター、スポーツクラブなどの施設で使うことができます。
保有株数 | 贈呈枚数 |
---|---|
100株から | 1枚 |
300株から | 3枚 |
500株から | 5枚 |
1,000株から | 10枚 |
3,000株から | 30枚 |
5,000株から | 50枚 |
配当金、配当性向
大和ハウスの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
11年3月 | 20円 | 36.1% |
12年3月 | 25円 | 34.87% |
13年3月 | 35円 | 21.83% |
14年3月 | 50円 | 32.75% |
15年3月 | 60円 | 30.95% |
16年3月 | 80円 | 44.72% |
17年3月 | 92円 | 28.02% |
18年3月 | 107円 | 27.34% |
19年3月 | 114円 | 31.42% |
20年3月 | 115円 | 33.82% |
21年3月(予想) | 110円 | 55.34% |
大和ハウスは連続増配を継続中ですが、21.3期は減配見込みです。
配当性向の目標が30%以上なので、確かに21.3期の配当性向は高いですが、高すぎるというわけでもありません。
経常利益は、対会社予想進捗率100%を既に超えていますし、もしかしたら配当の見直しも期待できるかもしれません。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


21.3期は減益となる見込みですが、それまでは右肩上がりに推移しています。
利益が回復すれば、今後も増配が期待できる銘柄ですね。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
大和ハウスの第3四半期決算内容
2021年2月9日に、大和ハウスの第3四半期決算が公表されました。
第3四半期(2020年4月1日から2020年12月31日)連結経常利益は、約2,452億円でした。
これは、前年同期比14.9%減となっています。
セグメント利益については、次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 増減 |
---|---|---|
戸建住宅 | 145億 | +14.9% |
賃貸住宅 | 592億 | △21.5% |
マンション | △13億 | 黒字⇒赤字 |
住宅ストック | 63億 | △54.5% |
商業施設 | 941億 | △10.5% |
事業施設 | 1,006億 | +6.8% |
計 | 2,735億 | △11.15% |
先述しているとおり、経常利益の会社予想2,430億円を、第3四半期にして超過しています。
ただし、緊急事態宣言発出に伴って、ホテルやスポーツ施設などの事業への影響や、減損損失を計上する可能性を考慮し、通期業績予想や配当金については据え置きとしています。
大和ハウス(1925)を徹底分析! まとめ



大和ハウスのことがなんとなくわかったよ。



今のところ減配予想だけど、もしかしたら維持や増配も期待できるね!
ここまで、大和ハウスについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 大和ハウスは、戸建住宅事業を中心に、ソリューション提案など、住宅関連事業を幅広く展開している。
- 大和ハウスは、経常利益の対会社予想進捗率が既に100%を超えており、一転して増配も期待できる
- 大和ハウスのキャッシュフローは良好で、ROEも非常に高く、今後の成長が期待できる
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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