
長谷工コーポレーションってどんな銘柄なの?



マンション建築の日本最大手だよ!
- 日本株を買いたいけど、なにを買ったらいいかわからない
- 長谷工コーポレーションがどんな企業か知りたい
- 長谷工コーポレーションの業績が知りたい
2021年2月10日に第3四半期決算が発表された、長谷工コーポレーションを分析します。
この記事を読めば、さまざまな指標から長谷工コーポレーションに投資するかどうか判断することができます。
長谷工コーポレーション(1808)の事業概要


ここからは、長谷工コーポレーションが行っている事業について解説していきます。
長谷工コーポレーションの会社概要
株式会社長谷工コーポレーション(はせこうコーポレーション)は、東京都港区に本社を置く大手ゼネコン。
Wikipedia(長谷工コーポレーション)から引用
ゼネコンとは、元請として工事一式を発注者から直接請負い、工事全体のとりまとめを行う建設業者を指します。
長谷工コーポレーションは関東地方を中心に、マンション建築を請け負っており、マンション建築の最大手です。
長谷工コーポレーションの報告セグメントは、次のとおりです。
- 建設関連
- 不動産関連
- サービス関連
- 海外関連
順に解説していきます。
① 建設関連
分譲マンションを主軸として、用地情報収集や企画立案から施工まで一体的に実施しています。
② 不動産関連
九州・沖縄、広島、松山、北海道などに分譲マンション事業を拡大しています。
また賃貸不動産の保有を拡大することで、安定収益源の底上げを図っています。
③ サービス関連
大規模修繕工事・インテリアリフォームを行うほか、賃貸マンションの運営管理、不動産流通仲介などを行っています。
④ 海外関連
ハワイで既存の戸建分譲事業において商業施設開発を行っているほか、新規の戸建分譲事業にも着手しています。
長谷工コーポレーション(1808)の株価分析!


ここからは、さまざまな指標から長谷工コーポレーションの株価を分析していきます。
なお、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いいたします。
株価指標と配当利回り
長谷工コーポレーションの株価指標と配当利回りは次のとおりです。
株価 | 1,363円 |
年間配当 | 70円 |
配当利回り | 5.13% |
発行株式数 | 300,794,397株 |
時価総額 | 409,982百万円 |
予想当期利益 | 47,950百万円 |
予想PER | 8.60倍 |
PBR | 1.00倍 |
現在の配当利回りは5.13%で、日本株の中ではなかなかの高配当銘柄です。
ただし、株価の暴落によって配当利回りが高くなっている場合など、いろいろな要因が考えられますので、しっかり分析していきましょう。
長谷工コーポレーションは、「建設業」に該当します。
2021年1月の業種別平均は、PERは8.9倍、PBRは1.0倍となっています。
建設業の大手他社とPER・PBRを比較します。
銘柄 | 予想PER | PBR |
---|---|---|
長谷工コーポレーション(1808) | 8.60倍 | 1.00倍 |
大和ハウス(1925) | 16.43倍 | 1.21倍 |
積水ハウス(1928) | 12.44倍 | 1.11倍 |
大林組(1802) | 6.95倍 | 0.76倍 |
鹿島建設(1812) | 8.77倍 | 0.87倍 |
大和ハウスや積水ハウスは、ハウスメーカーとして住宅系の請負がメイン事業となっています。
一方、長谷工コーポレーションや、大林組、鹿島建設は、元請け業者としてビルやマンション建設における施工全体を管理する、「ゼネコン」という業務形態にあります。
業種別平均や、建設業大手他社と比較したところ、長谷工コーポレーションの現在の株価は、PERはやや割安、PBRは平均的といったところでしょうか。
PBRやPERの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
なお、過去1年の株価変動は次のとおりです。


過去1年では、2020年1月23日の1,567円が最高値で、2020年3月17日の968円が最安値となっています。
2020年9月17日に1,507円を記録したものの、3月暴落前の株価には未だ回復していません。
株価変動に影響を与えたと思われるようなニュースは次のとおりです。
- 8月6日、第1四半期決算を発表。
- 11月12日、第2四半期決算を発表。
- 2月10日、第3四半期決算を発表。
売上高、経常利益の推移
長谷工コーポレーションの売上高と経常利益の推移は次のようになっています。


20.3期と21.3期は減収減益となっていますが、それまでは順調に右肩上がりに伸びていました。
22.3期のコンセンサス予想は、21.3期とおおよそ横ばいとなっています。
今後売上高・経常利益が回復していくかどうか注目ですね。
経常利益(円)=営業利益(円)+営業外利益(円)-営業外費用(円)
営業利益率の推移


営業利益とは、本業で稼いだ利益のことです。
日本株の営業利益率の平均は7%前後で、10%を超えれば良好と判断することができます。
長谷工コーポレーションの営業利益率は、近年10%を超えており、とても良好な水準です。
営業利益率(%)=営業利益(円)÷売上高(円)×100
キャッシュ・フローの推移
キャッシュ・フローは、現金の動きを表したものです。
長谷工コーポレーションのキャッシュ・フローの推移は次のとおりです。


20.3期は、営業CF・投資CF・財務CFのすべてが赤字となっており、非常に危険な状態です。
現金残高が大きく減っているので、借入金を増やすのではなく、繰越準備金などでその場をしのいだようです。
20.3期だけのことであればやむを得ないところもありますが、実はそれ以前から、営業CFが右肩下がりに減っていました。
現金残高ばかり増えて、投資CFが増えていないので、事業が拡大できず縮小していっている状況です。
長谷工コーポレーションはマンション建築を行うため、事業投資は「土地(固定資産)の取得に伴う支出」などが該当します。
自己資本比率の推移


一般的に自己資本比率は、最低でも40%を超えていないと倒産リスクが高まります。
長谷工コーポレーションの自己資本比率は、近年40%を超えていますので、当面債務超過による倒産の可能性は低いです。
自己資本比率(%)=純資産(総資産-負債)÷総資産
ROE、ROAの推移


このグラフは、長谷工コーポレーションのROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)の推移を表しています。
日本株のROE平均は6%から7%程度、ROA平均は3%程度です。
長谷工コーポレーションは、ROEもROAも平均を大きく上回る水準を推移しています。
特に、自己資本比率がきちんと40%を超えている中でも、これだけ高いROEを達成できている点は素晴らしいですね。
ROE(%)=当期純利益(円)÷純資産(円)
ROA(%)=当期純利益(円)÷総資産(円)
株主優待


長谷工コーポレーションには、株主優待があります!
自社グループサービス利用券(3月権利確定)
3月末日時点で、100株以上を保有している株主が対象です。
次の2点の特典のうち、いずれかを選ぶことができます。
- 長谷工リフォームでの室内リフォーム工事代金(税抜)3%割引
- 長谷工リアルエステートでの不動産売買の仲介手数料(税抜)5%割引
お米(9月権利確定)
9月末日時点で、100株以上を保有している株主が対象です。
株式会社長谷工あんしんデリの栽培する「たなかみ米」こしひかり(5kgまた10kg)を通常価格(税込)より20%割引して、販売いたします。
長谷工コーポレーション公式サイト(株主優待制度)から引用
「たなかみ米」こしひかりをご注文された場合に限り、ご希望の方には米ぬか500gを無償でお付けします。
配当金、配当性向
長谷工コーポレーションの配当金と配当性向の推移は、次のようになっています。
配当金 | 配当性向 | |
---|---|---|
15年3月 | 10円 | 3.86% |
16年3月 | 15円 | 5.87% |
17年3月 | 30円 | 7.67% |
18年3月 | 50円 | 16.63% |
19年3月 | 80円 | 17.2% |
20年3月 | 70円 | 45.2% |
21年3月(予想) | 70円 | 42.9% |
20.3期と21.3期は配当金が同額で、配当性向が下がっていますが、当期利益が増えているわけではありません。
自己株式取得を行って、EPS(1株あたり利益)が増えているためです。
配当性向(%)=1株当たり配当金(円)÷EPS(円)


19.3期までは右肩上がりでしたが、20.3期から下降しています。
それに伴って、20.3期には減配をしています。
経営状況が第一ではありますが、減益に伴ってすぐに減配してしまったのはもったいないですね。
長期的な安定配当は期待できそうにありません。
EPS(円)=当期純利益÷発行済み株式数
長谷工コーポレーションの第3四半期決算内容
2021年2月10日に、長谷工コーポレーションの第3四半期決算が公表されました。
第3四半期(2020年4月1日から2020年12月31日)は、約457億円の経常利益となりました。
これは、前年同期比で25.4%減となっています。
セグメント利益(損失)については、次のとおりです。
セグメント | 利益(円) | 増減 |
---|---|---|
建設関連 | 467億 | △13.4% |
不動産関連 | 54億 | △2.7% |
サービス関連 | 10億 | △83.9% |
海外関連 | △9億 | 赤字⇒赤字 |
計 | 522億 | △19.4% |
建設関連では、マンション建築工事の施工量減少などによって減益となりました。
不動産関連では、新規分譲マンションの引渡が順調に進捗したものの、前期に大型売却があったことの反動もあり、減益となりました。
サービス関連では、大規模修繕工事やインテリアリフォームなどの施工量減少などによって減益となりました。
海外関連では、ハワイで既存の戸建分譲事業において商業施設開発を行っているほか、新規の戸建分譲事業にも着手しているところです。
長谷工コーポレーション(1808)を徹底分析! まとめ



長谷工コーポレーションのことがなんとなくわかったよ。



以前は良好な財政状況だったから、何とか持ち直してほしいね!
ここまで、長谷工コーポレーションについて事業概要や株価について徹底分析してきました。
重要なポイントをまとめると、次のとおりです。
- 長谷工コーポレーションは、マンション建築最大手で、分譲マンションを主軸に関連事業を展開している
- 長谷工コーポレーションは、20.3期以前は良好な財政状況だったため、持ち直しに期待したい
- 長谷工コーポレーションは、減益となってすぐに減配しており、安定配当への期待は難しい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
日本株の買い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ併せてご覧ください。
まみこでした。


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